2002年の第1号店オープンから間もなく「回転寿司4強」の仲間入りを果たし、気づけば47都道府県制覇、店舗数もスシローを抜いて全国1位の座に輝いた絶好調の「はま寿司」。この快進撃の裏には一体どんな秘密があるのでしょうか。無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんは、同社を展開するゼンショーホールディングスの業態に注目し、同業他社に比べ圧倒的に勝っている「はま寿司」のバックボーンについて分析を試みています。
ゼンショーHDの利益が5割増加。はま寿司が大きく貢献
かっぱ寿司が行なっている、70分間の「食べ放題」サービスが話題を呼んでいます。6月13日から7月14日の平日14時から17時までで、全国20店で実施しています。この食べ放題サービスは好評のようで、数時間待ちになることもしばしばのようです。
かっぱ寿司を運営するカッパ・クリエイトの業績は悪化しています。2017年3月期の売上高は前年比1.1%減の794億円、本業の儲けを示す営業損益は5億円の赤字(前年同期は25億円の黒字)、最終的な儲けを示す純損益は58億円の赤字(前年同期は52億円の黒字)です。
かっぱ寿司の売上高は低下傾向を示しています。近年は最終赤字に陥ることがしばしばあります。業績悪化が著しい状況です。今回実施した食べ放題のサービスは業績悪化からの起死回生を狙った施策という面もありそうです。
業績悪化で苦しむかっぱ寿司を尻目に、はま寿司が気を吐いています。はま寿司を展開するゼンショーホールディングスの2017年3月期の売上高は前年比3.5%増の5,440億円、営業利益は55%増の187億円でした。純利益は109.7%増の84億円で過去最高となりました。
はま寿司を主力とするファストフードカテゴリーの売上高は前年同期から38億円増加しましたが、増収の主要因としてはま寿司の新規出店が寄与したとゼンショーは発表しています。2002年10月にはま寿司を設立してから順調に店舗数を拡大していきました。2017年6月23日時点では、47都道府県に473店を展開しています。
一方、競合も店舗数を増やしてきています。回転寿司業界では4強が激しい競争を繰り広げています。同時点で、スシローは島根県を除く46都道府県に463店、くら寿司は北海道と福島県を除く45都府県に397店、かっぱ寿司は35都府県に348店を展開しています。国内店舗数でははま寿司が一歩抜け出してトップで、現時点で4強で唯一全国制覇を果たしています。