会社の個人用PCをなくせ。老舗企業「タマノイ酢」の働き方革命

 

 若手を活躍させるチームワークの力

若くても意見を言える社風と強化されたチームワーク。この環境からタマノイ酢は若手が活躍する会社となった。最大のヒット商品「はちみつ黒酢ダイエット」は入社2年目の社員が開発。去年発売され「お通じが良くなる」と話題の「はちみつマイルドセンナ」は入社3年目の女性社員が考え出した。

企画課の永井美帆もまだ入社3年目の若手。だが新商品の企画から販売までをまとめるリーダーを任されている。永井が担当しているのは「ビラブド・アジア」(180円)という即席調味料。エスニック風味の黒酢あんかけが簡単に作れる。

その味には「タイ料理は辛くて酸っぱいというイメージがあるけど、毎日食べられる日本人に親しみやすい味に」という永井のこだわりがあった。ただし問題も。まだ馴染みの薄いエスニック調味料をどうやって手に取ってもらうか。永井は他の部署の先輩達からアドバイスをもらうことにした。

「何から始めていいか分からない人向けにレシピブックみたいなものがあれば」「『このあんかけを使ったらこれだけのメニューができる』という提案が必要ではないか」……と、さまざまな意見が。このように部署の垣根を乗り越えて仕事を進めていけるのがタマノイ酢の強みだ。

永井は先輩達の意見を参考にスーパーの実演販売へ。冷蔵庫にありそうな野菜で作ったメニューの提案をしてみることにした。これで手に取ってもらえれば、売り方の可能性が広がる。「日之出屋」堺駅南口店の売り場で、簡単さや子供にも抵抗のない親しみやすい味をアピールした。

一緒に考えてくれる人が多いので、私が作ったというよりは、みんなで作ったという意識のほうが強いです」(永井)

馴染みのない商品を、どう売っていけばいいのか。チームワークの力で永井はヒントをつかんだ。

print
いま読まれてます

  • 会社の個人用PCをなくせ。老舗企業「タマノイ酢」の働き方革命
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け