いま家は買うな? 不動産の「2022年問題」がチャンスに変わる理由

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米国公認会計士でフリー・キャピタリストの午堂登紀雄さんが様々なビジネステクニックや頭の使い方を紹介する、メルマガ『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』。今回は「不動産の「2022年問題」とは」と題し、戸建ての家を郊外に買うなら5年後の2022年がチャンス、という驚きの情報を明かしています。家を買おうとしている方はもちろん、すでに買ってしまった方も必見の内容です。

不動産の「2022年問題」とは?

今から5年後に起こるであろう、「2022年問題」をご存知でしょうか。

端的に言うと、都市圏にある農地の一部が放出されて膨大な数の住宅が建築され、不動産価格が下落するのではないかと言われている問題です。

これは「生産緑地問題」とも言われることがあり、生産緑地法に基づいています。

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1974年、市街化区域内の宅地化を促す目的で生産緑地法が公布されました。この法律により大都市圏の一部では農地の「宅地並み課税」が行われ、都市近郊の農地のほとんどが宅地化されることになりました。

その後、1992に同法が改正され、一部自治体が指定した土地の固定資産税は農地なみに軽減され、また相続税の納税猶予が受けられる「生産緑地制度」が適用されました。

生産緑地とは、住宅の建築が可能な市街化区域内の面積500平米以上の土地のことで、生産緑地の指定を受けると建築物を建てるなどの行為が制限され、農地としての管理が求められます。

生産緑地制度が適用されたのは首都圏・近畿圏・中部圏内の政令指定都市、その他の一部地域です。

都市部の住宅地の中に、時折ぽっかりと畑があり、「なぜこんな場所に農地があるんだろう?」と感じてしまうような場所に遭遇したことはないでしょうか。これらはほぼ生産緑地です。

東京都だけで「ドーム724個分」の生産緑地

では、これの何が問題なのか。

1992年の改正により、生産緑地の指定から30年後が経過すると、所有者が農業を続ける意志がない場合、市区町村の農業委員会に土地の買い取りを申し出る事が可能となります。

つまり、それが2022年になるわけです(それまでは所有者が死亡したり病気などで農業に従事できなくなったなどの場合しか買い取り申し出はできません)。

法律では、市町村は特別な事情がない限り時価で買い取らなければならないと定めていますが、主に財政負担が難しいという事情から、今まで買い取るケースはほとんどどありませんでした。

市町村が買い取らない場合、市町村の斡旋によって買い手を探すわけですが、生産緑地として買う人(つまり営農する人)がいなければ、この生産緑地指定が解除されます。

生産緑地が解除されると、従来は固定資産税が宅地の1/200分のとして減額されていたものが、軽減が無くなり一気に跳ね上がります

生産緑地の所有者の多くは高齢者と見られ、農業を継続できない人もいるでしょう。かといって少なくとも500平米はあるため、その固定資産税が宅地並みになればあまりに高額となる。

そのため土地の維持ができず、売却などで一斉に手放す所有者が続出する可能性があるわけで、それを大きなビジネスチャンスとして虎視眈々と狙っているのがハウスビルダーやマンションデベロッパーです。

では、そのような土地がどのくらいあるかというと、平成26年のデータによると、

      生産緑地(ha)   東京ドーム(4.6ha)個数換算
埼玉県   1,824.80   397
千葉県   1,188.51   258
東京都   3,329.80   724
神奈川県  1,404.10   305
愛知県   1,206.02   262
大阪府   2,100.40   457

つまり、東京都だけでもドーム724個分の生産緑地があることになります。

もちろんすべての生産緑地が解除されることはないですし、土地開発の際には道路用地も必要なので宅地の有効面積はもう少し小さくなりますが、もしこの土地に新築一戸建てが建築されれば、東京都だけでも25万戸以上の戸建てが供給されることになります。

これが賃貸アパートや賃貸マンションの集合住宅であれば、賃貸物件の供給戸数も一気に増えますから、需給バランスを大きく歪めることになりかねないのです。

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