身体にいい「食用油」はどれ? 種類別・オイルの働きを徹底比較

2017.03.31
by Mocosuku
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最近はスーパーにもオリーブオイルや、ココナッツオイル、えごま油、アマニ油など沢山の種類のオイルが並んでいます。

健康の為によいものを選びたいけれど種類が多くて悩んでしまいますね。

そこで、オイルの種類別に、どのような働きがあるのかを解説したいと思います。

オイルの性質を決めるのは脂肪酸だった

オイルには様々な種類がありますが、どれもグリセリンという物質に脂肪酸という物質がつながってできています。

グリセリンの部分はどれも共通なので、オイルの性質を決めているのは脂肪酸ということになります。

ここでは、脂肪酸別にどんなものに含まれていてどんな働きがあるのかを見ていきましょう。

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は主に肉やバター、乳製品に多く含まれます。

摂りすぎると悪玉コレステロールを増やし、動脈硬化の原因になります。また肥満の原因にもなるとも言われています。

現代では摂りすぎが問題になっており、特に健康診断で悪玉コレステロール値が高かった方や、太り気味の方はなるべく避けた方がよい油です。

ココナッツオイルに含まれる「中鎖脂肪酸」も飽和脂肪酸

最近話題になっているココナッツオイルにも飽和脂肪酸が含まれています。

にも関わらず「ココナッツオイルが体によい」と言われているのは、含まれている飽和脂肪酸が中鎖脂肪酸であるからです。中鎖脂肪酸は他の油に比べ、エネルギーになりにくいと言われています。

また、他の脂肪の燃焼を助ける効果もあるのではと研究がすすんでいます。

不飽和脂肪酸

その1:オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸には魚に含まれるDHAやEPA、えごま油やアマニ油に含まれるα(アルファ)-リノレン酸などがあります。

体内で合成することができない為、食事から摂取することが必要な必須脂肪酸となっています。悪玉コレステロールや血中脂肪を低下させ、血栓を防止する働きがあります。

その為動脈硬化を予防することができ、生活習慣病予防につながります。オメガ3脂肪酸の摂取量は不足傾向にあり、積極的に摂取したい油の一つです。

また、オメガ3脂肪酸は酸化しやすい為、えごま油やアマニ油加熱せずそのままドレッシングなどにして食べることがおすすめです。

日光の当たりにくい場所に保管したり、開封後はなるべく早く使い切るようにしたりして、酸化しないように保管しましょう。

魚もできれば生で食べる方が油の酸化を防ぐことができます。

その2:オメガ6脂肪酸

オメガ6脂肪酸も体内で作ることができない必須脂肪酸の1つ。

大豆やトウモロコシ、ひまわりなどを原料にしたサラダ油や、ごま油に多く含まれているリノール酸が代表的なオメガ6脂肪酸です。

日本人の摂取しているオメガ6脂肪酸の約9割はリノール酸と言われています。

リノール酸には悪玉コレステロールや中性脂肪を低下させる働きがあります。しかし摂りすぎると善玉コレステロールまで低下させてしまい、動脈硬化の原因となります。

サラダ油は安価で使いやすく、総菜やスナック菓子などの加工食品にも多く使われています。

その為現在では知らず知らずのうちにリノール酸を摂取していることが多く、過剰に摂取しないようにすることが大切です。

その3:オメガ 9脂肪酸

オメガ9脂肪酸にはオリーブオイルや菜種油に含まれるオレイン酸などがあります。

日本人の摂取しているオメガ9脂肪酸の約9割はオレイン酸だと言われています。オレイン酸は善玉コレステロールの数値を変えることなく、悪玉コレステロールを下げる働きがあります。

また酸化しにくい性質を持っているので、加熱してもその働きが変わらないことが特徴です。

オメガ9脂肪酸は体内でも合成できる為、どちらかというと過剰摂取に注意する必要があります。

トランス脂肪酸とは?

不飽和脂肪酸は、文字通り飽和していない物質なので変化に弱い性質があります。

特にマーガリンやショートニングなど、本来液体の植物油を固形にする加工をする際に変化が起きやすく、その変化によって生じるのがトランス脂肪酸です。

トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させ、動脈硬化の原因となったり、アレルギーや肥満の原因になったりすると言われています。

特に、パンや菓子・ファーストフードなどで植物油脂を大量に摂取するアメリカではトランス脂肪酸は深刻な問題となっています。

アメリカ食品医薬品局は、2018年以降食品へのトランス脂肪酸の利用を原則禁止すると発表しています。

日本人のトランス脂肪酸の推定摂取量は約1ℊと、1日の目安量である2ℊを下回っています。その為日本では表示の義務や量の規定はありません。

ただし、ファーストフードや菓子パン、スナック菓子などにはトランス脂肪酸が含まれていますので、このような食品ばかり食べることは避けた方がよいでしょう。

体に良いオイルも摂りすぎに注意!

オイルには様々な性質がありますが、どのオイルにも共通しているのが高カロリーだということ。

脂肪酸の種類に関わらず油は1g当たり9kcalです。

そのため、オイルの摂りすぎはエネルギーの摂りすぎにつながり肥満につながります。

肥満はホルモンの異常を引き起こし、動脈硬化や高血圧の原因となります。せっかく健康効果を期待して取り入れてもこれでは意味がありませんね。

気になるオイルがある場合は、今の食生活にプラスするのではなく置き換えることがおすすめです。

また、脂質はオイルだけでなく食品にも含まれています。特にメインのおかずになる肉や魚、卵、大豆製品には脂質が含まれています。様々な種類の脂肪酸を摂取するよう、肉・魚・大豆製品、卵を交互に取り入れるなど工夫するようにしましょう。

オイルには様々な種類があります。摂りすぎに注意しつつ、気になるオイルを取り入れてみてくださいね。

 

執筆:永吉 峰子(管理栄養士)
 

<執筆者プロフィール>
永吉 峰子(ながよし・みねこ)
管理栄養士。大手小売企業にて店長、商品開発を経験後、現在は「健康」「食」に関する執筆を中心に活動中

image by: Shutterstock

 

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記事提供:Mocosuku(もこすく)

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