ホビーとしての汎用性はもとより、医療分野などジャンルを問わない可能性を広げ続けている“3Dプリンター”。
なんと、ついに極寒の地ロシアで“家”をプリントすることに成功したという。
ロシアの3Dプリンター開発企業Apis Cor社が、モスクワで行ったデモ用ハウスの出力映像を公開しているので、ご覧いただきたい。
建物を3D印刷する技術はこれまでも研究されてきたが、いずれも巨大な屋内スペースを必要としたり、パーツの運搬などに大掛かりな作業を必要とするものばかりだった。
しかしApis Cor社が開発した3Dプリンターは、アームが4~8.5メートル、脚部が1.5~3.1メートルの伸長式になっており、このコンパクトな構造により、装置自体をトラックで搬送することが可能となった。
しかもコンクリートミキサー・ユニットと接続することで、オートメーション化された作業が可能となり、一棟を建設する時間は1日もかからないという短さだ。
そのためデザインされた家は、湾曲した壁面を持つ独特なスタイルとなったが、この形状は3D印刷を効率化させるために計算された構造なのだという。
この極めて合理的なシステムにより、デモ用ハウスの建設費は1平方メートル単価で275ドル(約3万1000円)、総建設費は1万134ドル(約115万円)となった。概算されたコストには基礎工事や屋根の施工の他、内外装などの工事費が含まれるため、非常に安価なものといえる。
しかもマイナス35度という極寒の環境でも、保護用テントを張るという工夫で3D印刷が行えることが証明された。もちろん、ジオポリマーなどの新素材を使用した3Dプリントハウスの強度は、積雪にも十分に耐えられるものだとApis Cor社は胸を張る。
ちなみにプリントハウスの床面積は、38平方メートル。ビジネスホテルならダブルかツインに相当する面積であり、バスルーム、キッチンを備えたこの部屋での生活に支障はないという。
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参照・画像出典:YouTube(Apis Cor)
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)
記事提供:ViRATES