沈みゆく東芝。現実味を帯びてきた、数万人規模のリストラ計画

 

日本中に衝撃を与えた、東芝の7,000億円を超える特別損失。我が国を代表する巨大企業がこのような事態に見舞われるなど、誰が予想できたでしょう。そしてこの先、東芝はどのような道を辿ることになるのでしょうか。無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では、「事態の沈静化を図るために次々と資産を売却しているが追いつかず、このままだと数万人単位の大規模リストラが行われる」と予測しています。

解体的運命となった東芝 今後の収益を何に見出すか

東芝が重篤な危機に陥ることがあるなどと一体誰が予想し得ただろうか。1875年(明治8年)7月に創業され、資本金2,000億円、連結売上高5兆7,000億円、従業員数約18万8,000人(単体では3万6,601人)の巨大重電企業である。

カラクリ技術の歴史をもつ名門企業

歴史をたどれば、大英博物館に収められたカラクリ人形など精巧なカラクリ技術で様々な人形、玩具などを作ったカラクリ儀右衛門(田中久重)を創業者の1人とする伝説の会社でもある。戦後になってからも冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、炊飯器など家電製品の国産化1号も多数手がけており、日本人のライフスタイルを発展させてきた白物家電のパイオニア的存在だった。その後、重電機器やエレベーター、原子力発電、パソコン、半導体関連などにも手をのばし、日本を代表する巨大企業になっていった。

原発が事の発端

東芝危機のウワサが出始めたのは2~3年前からだ。東日本大震災で福島の原発が事故を起こし、原発に対する不安感が国民に広がっていた頃に、東芝の原発部門にも経営的問題があると言われていたのである。ところが、原発だけでなく主要部門のインフラ関連工事、半導体、パソコンなどの分野でも利益水増しがあると言われ、2015年に不正会計が発覚した。

この不正会計をめぐり経営陣による強い圧力があったことも判明し、田中久雄氏ら歴代3社長と役員ら計8人が引責辞任に追い込まれた。その結果、東芝の経営は大混乱に陥り、15年5月に予定していた決算発表が9月までズレ込む事態となった。

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