数多くのベストセラーを出すビジネス書作家・投資家として活躍中の俣野成敏さんと、最近メルマガ登録者数が激増し著書の出版やWeb『日刊SPA!』の連載などでも活躍するメンズファッションバイヤー・MBさん。このお二人が、副業、起業、そして未来の働き方までを語り尽くした特別対談をお届けいたします。 お二人の有料メルマガをご購読いただいている読者限定で公開する対談を、今回は特別に一部だけ公開。はたして、どんな熱いトークが繰り広げられたのでしょうか?
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自分の現状や常識への疑問が起業・副業への第一歩
まぐまぐ編集部(以下、ま:)2016年のことになりますが、いわゆる「働き方改革」の一環として、企業に社員の副業を認めるよう促していくという政府の方針が発表されました。これを受けて今後やはり、日本のサラリーマンの働き方は大きく変わっていくのでしょうか。
俣野:副業は今まで「原則ダメで、会社が個々に判断」ってことだったんですけど、それが「原則OKで、ダメにする会社もあるかもしれない」という風になるワケで、もちろん「競業禁止」「秘密保持」といったところはいつの時代も留意が必要ですが、サラリーマンの働き方としては、まるっきり変わる可能性があります。例えば今までなら、会社に「副業やってるの?」って聞かれたら「やってませんよ」ってとぼけつつ、隠れてコソコソやってたと思うんです。でも今後は「え、まだ副業やってないの」「ちょっとは考えたほうがいいんじゃないか」って言われるような……。残業規制の法改正も同時に進められているのは偶然とは思えません。
ま:むしろ会社のほうから勧められるという……。
俣野:401K(確定拠出年金)なんかも、要するに会社が今の低金利の時代にお金を預かって運用したとしても、プラスにするのは難しいから、「これからは自分でやってね」ってことで、サラリーマンにも利用範囲が広がった制度だと思うんですよ。それと似たような形で、今後は残業をして自分が欲しい収入まで持っていくっていうことができなくなる時代だし、ましてや昇給も難しいっていう状況だから、「じゃあ足りない分は自分で考えて稼いでね」っていうのが、副業解禁の流れにはあるんです。いろんな意味で、自立が求められる時代なんだと思います。
MB:僕もこの前、mineで「2017年は副業解禁の年だ」っていう記事を書いたんですけど、読者からものすごく反応があったんですよ。で、結局政府がそういうのを言い始めたのって、いま日本の人口が徐々に減ってて経済力がどんどん下がってるという状況があって、そうなると一人一人の生産性を上げていく必要があるんだけど、じゃあ生産性を上げるにはどうすればいいのって考えたときに、みんなに副業をさせて一人頭の売上を高く作るのが早いっていうのがあると思うんです。
俣野:そもそも本業一本で食っていくのって、すごく危険なことですよね。
MB:そうですよね。僕もサラリーマン時代によく感じてたんですけど、アパレルってすごく浮き沈みが激しい業界で、30年間以上続く企業は数えるほどしかないし、ブランドとかでも10年続いたらすごいねって言われる世界だから、やっぱり潰れていくわけなんです。でも、そんな会社にみんな依存状態になっていて、「自分はこの会社に雇ってもらっている」「この会社のために働かないと見捨てられたら困る」っていう意識からか、会社に自分の身を粉にして捧げる奉仕精神というか、奴隷精神みたいなものを持って働いてるんです。
でもそうじゃなくて、リスクヘッジのために副業をやって、収入の柱を2本持っておくと、自分は本業がなくても生きていけるんだっていう意識が出てきて、会社に対して変に依存する体質もなくなると思うんです。例えばサービス残業も、見合わないと思ったら断るっていう選択肢も意識できるし。そういった意味でも副業って有意義なものだというか、収入の柱を2本持つというのは、すごく重要なことなんじゃないかって。
俣野:どんな企業でも、多角化経営をしていたりだとか、アパレルとかでもブランドを2つ持っていたりとかしますもんね。それなのに、じゃあサラリーマンだけが「一本足打法」でいいのかっていう話になりますよね。
ま:では、今後は働く者なら誰もが副業や起業を意識したほうがいいんでしょうか?
俣野:いつかは意識をしたほうがいいですよ。というのも、会社は定年があるから。いつかは辞めないといけないじゃないですか、自分の意思と関係なく。今は定年が60歳で、その後は再雇用で65歳まで働くのが当たり前じゃないですか。まぁ、年金の受給開始年齢が遅れるという事情に企業が合わせざるを得ないという事情もあるんでしょうけれど。
でも現実問題として、60歳以上で働いている人って、そんなに満たされてないと思います。なぜかというと、60歳の定年になった時点で給料が半額になるというのも珍しいことじゃないからです。それに役職も解かれるから、それまで後輩だった人間に使われる立場になる。そのうえ、実務に戻らないといけないという会社もあると思うんです。役職が解かれるっていうことは。よっぽど実績をあげた人だったら、役員のような待遇になるのかもしれないですが、基本的には給料が下がって役職も解かれた状態になるわけで、それでどこまでモチベーションが続くかっていうことなんです。