平日日刊でビジネスメールに役立つテキストを届けてくださる無料メルマガ『仕事美人のメール作法』。今回は著者の神垣あゆみさんが、間違えるとちょっと恥ずかしい、「うっかり入力ミス」してしまいがちな同音異義語を取り上げています。
「気密」と「機密」
読みは同じで意味が異なる同音異義語です。漢字を見ると意味の違いはわかりやすいですが、「密」が共通するので、うっかり入力ミスしていませんか?
意味の違いを確認しておきましょう。
「気密」は、気圧が変化しないように密閉した状態のこと
- 例)気密性が高い造り、気密試験、高気密
「機密」は、国家・組織などの重要な秘密のこと
- 例)機密文書、機密が漏れる、データの機密性
気密の密は「密閉」の密、機密の密は「秘密」の密と覚えておくとよいかもしれません。
では、「機密」と「秘密」の違いは?
「機密」は、国家や企業にとって重要な秘密のことで、日常的、一般的なことには使わないのに対し、「秘密」は、公的な事柄のほか、私的な事柄にも用いられるという違いがあります。
- 例)公然の秘密と言われている、私たちだけの秘密
隠して他に教えない事柄でも「秘密」と「機密」では重要度の高さが格段に違うということです。
「連携」と「連係」
この2語も同音異義語ですが、意味の違いを知っておかないと混同しそうです。
「連携」は、互いに連絡をとり、協力して物事を行うこと
- 例)連携を強化する、連携アプリ、県と市の連携
「連係」は、他と密接な関連をもつこと、切れ目なく続くこと
- 例)連係プレー、連係編集プログラム、本社と支店との連係
連携の「連」は連絡、「携」は手を携えること。連係の「連」はつらなること、「係」は関係する、つながることと捉えれば、意味の違いを理解しやすいでしょう。
同じ読みで、「連系」という言葉もあります。
太陽光発電の発電設備を電力会社の送電線や配電線に接続して運用することを「系統連系」と言い、「連系」という言葉が使われています。
仕事でこの言葉を知ったのですが、最初は入力ミスかと思い、調べてみたら、専門用語として使われているとわかりました。そのほかに「連系」を使った例があれば、教えてください。
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