さらにリサイクルの制度設計では「家庭で分別、自治体が収集、業者が再利用」といって「環境を守るため」に三者がそれぞれ努力するという美しいようなことが言われました。でも実態はどうかというと、家庭では忙しくても面倒でも分別が必要となり、有料ゴミ袋、エコバッグなど次々と新しい出費すら増えたのですが、自治体は約2倍の税金をとって人を増やしリサイクルを始めましたし、業者はそれまで「お金をかけて集めていた廃品を、お金がついて自治体からもらえる」という事になったのです。
国のリサイクル法が施行されるまで、紙はちり紙交換屋さんが自分で軽トラを運転し、ガソリン代を払い、わずかですがちり紙と古紙を交換していました。アルミ缶や鉄くずも少しとは言え廃品を出す方はお金になりました。家電製品もトラックで回ってくる廃品回収業者がタダか、あるいは何か小さな景品のようなものをくれていました。
それが、すべてタダになり、税金を余計に取られ、しかも分別して別々の指定された袋に入れ、あるいは日にちを指定されて何種類にもわたって出すようになったのです。
こんなことは独裁国家でも無ければ行われないことですが、なぜ日本で可能になったのでしょうか? それは家電リサイクルで理解することができます。