パチンコ規制が先。カジノ法案成立で見直すべき日本のギャンブル事情

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先日ついに成立した、カジノ法案とも呼ばれる「IR法案」。国は「カジノの合法化は日本を経済成長させるための起爆剤になる」としていますが、Windows95の設計にも携わった世界的エンジニアでメルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者・中島聡さんは、日本はすでにギャンブル依存症大国であり、カジノの合法化を機に「ギャンブル特区」でも作らない限り、カジノは弱者から搾取するためのツールにしかならず、日本を衰退させると厳しい見方を示しています。

IR法案とギャンブル依存症

先日、日本の国会でカジノ法案とも呼ばれるIR法案が成立しました。IRとは、カジノ・ホテル・劇場・会議場などを含む統合型リゾートのことですが、「IR法案」の背景には、そんな施設を東京湾に作って国際的なカンファレンスを誘致したり、海外からのリゾート客を呼び込もうという国策があります。

税収が見込める東京都や国、巨額の受注を見込めるゼネコン、様々な経済効果を期待する経済界、天下り先の増加に期待する官僚と、主要なステークホルダーたちは誰もが賛成している中で、かろうじて野党が「十分なギャンブル依存症対策がないまま」に法案を通すことに反対する、といういかにも中身のない議論の中で、「強行採決」されてしまいました(多数決で物が決まるというルールの中で「強行」も何もないと私は思いますが…)。

今回の件で決定的に欠如していたのが、そもそも日本がすでにギャンブル依存症大国である事実であり、ギャンブルビジネスと依存症が切っても切れない関係にあるという悲しい現実です。さらに言えば、統合型リゾートは大半の収益をあげるカジノがあってこそ成り立つビジネスであり、つまりは「ギャンブル依存症になる人がいるからこそ成り立つ統合型リゾート」という厳しい現実です。

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