学芸大付属高のいじめ隠蔽で明らかになった、いじめ防止法のザル

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
 

立て続けに明るみになり報道されるいじめ事件。先日は抜群の進学率を誇る学芸大付属高校での度を越したいじめが発覚しました。無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』では、「国立の付属中高はいじめが解決しにくい」とした上で、その問題点と対策について記しています。

学校を通さずに「重大事態」の報告できるシステムを!

クリスマス、お正月と続く子供たちにとってはわくわくするような月が始まります。しかし残念なことに、いじめの報道が後を絶ちません。青森の中2女子の自殺事件、青森の中1男子の自殺事件、兵庫県加古川で9月に中2女子自殺が発覚、横浜の中1男子の震災いじめ事件、学芸大付属高のいじめ重大事態事件、新潟の男子高校生飛び込み事件等々。悔しいことに、保護者や本人がいじめられていると訴えていた事案が多いことです。いじめの初期段階で、いじめを解決できていれば、ここまでにはいたらなかったはずです。

私の方も、先月17日に日テレで紹介されたことに続いて、30日は、フジテレビのユアタイムから緊急での取材が入り、学芸大付属高の事件に関してのコメントが放送されました。事務所に取材に来られたディレクターは、元、高校の教師をされていたということでした。教育に関わった人間として、子供たちの現状についてのいきどおりと悔しさがその言葉の中に見え隠れしていました。

今回の事件は、学芸大付属高校において、「重大事態」に該当するいじめ事件が起き、学芸大学が半年も報告を遅らせたというものです。いじめの内容は、体育祭の練習時に手首を骨折させられた、投げられて脳震盪を起こした、セミの幼虫をなめさせられたことがわかっています。被害者はいじめアンケートに「いじめがあった」と回答していたことも報道されています。この事件について学校は、朝日新聞の質問に対して、「本人が、骨折については自分で転んだと言っていた」「脳震盪については、原因の追求をせず、報告書もつくっていない」と回答しています。また、アンケートについては、「いじめは確認できなかった」とのこと。

これは、明らかに隠蔽であり、学校の体面しか考えていないと言われてもしかたない状況です。いじめ相談に来られる保護者の方と話していて感じるのは「学校は重大事態を認めたくない」それどころか「いじめがあった事実」を認めたくない学校がこれほど多いということです。

print
いま読まれてます

  • 学芸大付属高のいじめ隠蔽で明らかになった、いじめ防止法のザル
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け