先日、衆院本会議で与党などの賛成多数で可決した「年金改革法案」ですが、民進党などの野党は「年金カット法案の強行採決だ!」と激しく反発しています。これを受けて、無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』の著者で年金アドバイザーのhirokiさんは、「野党の反対が仮に通ったとしても、また数年後にツケが回ってくるだけで、未来の人たちのためにならない」との厳しい見方を示しています。
年金改革法案可決!これにより、今後の年金はどうなるのか?
年金改革法案が可決しましたね。平成33年からみたいですね。
さて、今回の法案ってたぶん何の事なのかわかりにくいですよね。なかなかこの辺は説明が難しい部分ではあります。結論から言うと、賃金が下がった場合は、年金も賃金の下げに合わせて下げるって事です。
年金は元々、物価や賃金が上下すると年金額もその分上がったり下がったりするものです。今の年金額改定のルールの中で、物価が下がって賃金が下がった時、そして、物価が上がったけど賃金がマイナスになった時の年金額の改定にちょっと問題がありました。
物価よりも賃金のマイナス幅が大きくても、物価の下落分に合わせていました。例えば、賃金が2%下がって、物価が1%下がったなら、下げ幅が小さい物価に合わせていた。また、物価が上がり、賃金がマイナスになると賃金の下げ幅と同じく年金を下げるのではなく、年金額を据え置くという事が起こっていました。
まあ今年の年金額なんかそうですよね。物価は0.8%上がったけど、賃金が0.2%マイナスになったが年金額は下げずに前年と据え置いた。だから平成27年度と平成28年度の年金額は同じになった。どういう事かというと、現役世代の賃金が下がっているけど、年金受給者の年金額の下げ幅は少ないという事になります。現役世代の賃金(年金受給者を支える力)が下がっても、年金受給者の年金給付水準は保たれる事になるわけです。
年金制度っていうのは世代間の合意に基づき、現役世代が老齢世代を社会的に扶養する仕組みであり、この仕組みを引き継いでいくには年金水準は現役世代の賃金とバランスのとれたものでないといけないんですね←ココ重要!!
保険料も現役世代が負担できる範囲のものでないといけない。そうじゃないと、両世代の合意が成り立たなくなって、収支の均衡、制度の安定が図られなくなるんです。