NHK大河ドラマ『真田丸』を放送直後にワンポイント解説する人気連載シリーズ。今回は、女性同士で行われた和睦交渉について。ドラマ『真田丸』の軍事考証を担当する西股総生さんは「男同士ではメンツが邪魔をして交渉が決裂する恐れがあるため、戦闘に直接関わっていない女性を選んだのでは?」との見方を示しています。
今回のワンポイント解説(11月27日)
なかなか落ちなかった大坂城。何はともあれ一旦、和睦、ということになって、停戦合意を取り付けるために、徳川方が出してきた全権大使は、家康の愛妾だった阿茶の局。豊臣方も、これに対応して(釣り合うように)大蔵卿の局を全権大使に。
冬の陣の停戦交渉が、なぜ女性同士で話し合われたのか、という問題については、いろいろな考え方がある。僕の考えは、次のようなものだ…。
徳川方は30万近い大軍で、大坂城を攻囲した。これだけの大軍が狭い地域に張り付いて攻城戦を行うとなると、先に兵粮が底をつくのは、人数の多い攻囲軍の側だ。小田原の役の時も、秀吉軍は深刻な兵粮不足におちいった。しかも、小田原の役では、攻囲軍の一部を関東諸城の攻略 に差し向けることによって「口減らし」ができたが、今回はそうはいかない。徳川軍は、兵粮不足と 衛生状態の悪化によって、攻囲陣の維持が難しくなりつつあったのではなかろうか。
真田丸での敗戦によって、短期の大坂城攻略が不可能になった徳川軍は、何とか停戦に持ちこもうとした。そこで、女性同士で話し合わせることにした。男同士で話をさせると、メンツだの立場だのにこだわって、交渉が決裂してしまうから。この場合、戦闘に関与していない女同士の方が冷静に話せる、というのが家康の読みではなかったか。
そうして一旦、停戦合意を取り付けてしまえば、あとは寝技に持ちこんで、どうにでも政治決着させられる。方広寺の鐘銘に言いがかりをつけ、片桐且元を切り崩して強引に開戦に持ちこんだように。実際、この停戦によって、大坂城は真田丸と惣構を失うのだ。それこそ、徳川軍に大坂城の短期攻略を困難とさせていたものだったのだが…。(西股総生)
《今週のワンポイントイラスト》
停戦交渉、もし男だけでやったなら…互いに引くに引けず、大変なことに…!? (みかめ)
文・絵/TEAM ナワバリング(西股総生・みかめゆきよみ)
ナワバリスト(城郭研究家)の西股総生率いる、お城(主に山の城)と縄張りを愛する3人組
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第 1 部「今こそ語りたい第2次上田合戦と大坂の陣」…西股総生
第 2 部「サブカルで楽しむ歴史とドラマ」…西股総生・みかめゆきよみ・磯部深雪(予定)
日時 :12月23日(金) 14:00~15:00/15:30~17:00
場所 : 新宿クラブツーリズム(西新宿駅前・新宿アイランドウィングビル)
コース番号
第1部 C2021-912 入場料 1,000 円
第2部 C2022-990 入場料 500 円
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戦国の石積みで知られる小倉城ですが、占地と縄張りの意味を読み解きながら、いつ・誰がこの場所に城を築いたのか、考えます。山歩きのできる靴と服装でご参加下さい。
旅行代金 5,500 円
コース番号 03339-098 でお問い合わせ下さい
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今週の『真田丸』SNS反応【編集部まとめ】
初登場から今日までの阿茶局
・ビビリの家康が毒見も通さず彼女の作った薬を飲む
・噛ま・ない
・(真田を)滅ぼされたらいかがですか?
・太閤秀吉の奥向きの情報収集。茶々の妊娠を真っ先に気づく
一年かけて、コツコツと和睦交渉の場の説得力を積み上げてこられたよ… #真田丸— ぬえ (@yosinotennin) 2016年11月27日
【号外】徳川・豊臣両家が合意#真田丸 pic.twitter.com/Whiw9BfbVX
— 虚報タイムス (@kyoho_times) 2016年11月27日
【今回のまとめ】
・信之は膝を枕に大出費
・幸村は城を枕に大勝負#真田丸— 山本八重@11/27黒潮よさこい祭り (@aizu_sniper_yae) 2016年11月27日
大蔵卿局の「あんたは黙って私の言うこと聞いてりゃいいの!」という困ったお母さんぶり、上手なセールストークに嵌ると催眠にかかったように何でもyesと答えてしまう一介のおばさんぶり、上手でしたねえ…世間知らずそのもの。天下を差配する男を補佐してきた阿茶局と対象的だった。#真田丸
— ぬえ (@yosinotennin) 2016年11月27日
組織にとって害悪以外の何者でもない「無能な働き者」大蔵卿を演じる峯村リエさんは、毎回SNSで大蔵卿がクソババアとか死ねとか言われてるのを見て、役者として嬉しい反面凹んでいるらしく、大坂城の追悼碑に謝罪に行く予定らしい。
#真田丸— コウノ@京都の妖怪の人 (@kouno0521) 2016年11月27日
女だけの和平交渉、どこか既視感のある光景と思いましたが、あれって「営業だけの開発会議」っぽさが。ビジネス的な都合だけで納期や予算や人手を決めて、それが技術的に実現性があるのかどうかについては誰も気にしない会議 #真田丸
— 銅大 (@bakagane) 2016年11月27日
今までの大河の感想が「史実と違う」とか「この解釈演出脚本はどうかと思う」みたいな感じだったのに対して真田丸の感想がのきなみ「豊臣、勝って!」なのほんと凄いよね。 #真田丸
— おだし (@cedarw_un) 2016年11月27日
#真田丸 先日最終回のサブタイトルを無題にすることが発表されましたが、これまでのサブタイトル一覧をまとめました。いい副題が多い中、個人的には第26回「瓜売」と第45回「完封」が好きですね。みなさんはどうですか。あとぼくの最終回のサブタイトル案は「終丸」で。 #真田丸最終回サブタイ pic.twitter.com/3C6iChJjkl
— 攻城団 (@kojodanjp) 2016年11月27日
いやこれよくある泣ける不良ドラマでしょ!金八先生でよく見た展開でしょ!(号泣)#真田丸 pic.twitter.com/V1ryUvzUW5
— 名前はまだ決まらない (@namaehamada_nai) 2016年11月27日
ツイッターでは家康は有能な女の人を取り立てるために''家康の側室''という地位を与えてた。って話をよく見かけたけど、今回のきりちゃんを見ればそれがどれだけ有益なことかよく分かる。あれだけ利口なきりちゃんが地位が無いだけで口を挟めないことの不利益。#真田丸
— 柚子 (@kankitusan3) 2016年11月27日
大蔵卿局さんはもう黙ってくれ。そして、面白いのが、阿茶局は誰が一番陥落しやすいか、影響力があるかを見抜いて、大蔵卿局の好むように話や目線を持って行ってるよね。
さっきから、初様より大蔵卿局を見る回数の方が多い。 #真田丸— フラワードクトリン (@flowerdoctrine) 2016年11月27日
幸村の言う通りメッチャ頑張ってのたうち回るきりちゃん4コマ
#真田丸 pic.twitter.com/Dz7ClkTv0b
— しめじ🍄 (@shimeji_b) 2016年11月27日
関西人のマジ主張#真田丸 #nhk pic.twitter.com/ix22GtJSCu
— はなたろう (@hana_taro2014) 2016年11月27日
膝枕で200!?高っ!!
(北政所様のご祐筆を務め、殿上人ともお付き合いがある)わたくしを誰と思っていらっしゃいますか?#真田丸— ぬえ (@yosinotennin) 2016年11月27日
ちなみに物価調べたんですが、元和二年(※1616年、劇中の2年後)に「酒2升で48文」の記録があって、これを元にざっくり換算すると、200文でお酒が8升ちょい買えます(笑)。 pic.twitter.com/mv7D24Nmpw
— 高枝景水@冬コミ12/30金)西ほ10b (@namazudou) 2016年11月27日
てか真田丸、もう最終回まで話数ないのに耳掻きリフレ通いがバレた兄貴のクソエピソードがはじまるの何なんだよwwwww #真田丸
— でるた (@delta0401) 2016年11月27日
かつて、茶々さんに気に入られた警護役の若者が何人も死んでしまった時には動じなかった茶々さん。
侍女の死は目の前だったからか、それとも子を持って変わったのか…。秀吉さんを亡くしてからは特に気を張りつづけている茶々さんが何だかとても切なくなってきた…#真田丸
— 小栗さくら@歴史タレント (@oguri_sakura) 2016年11月27日