一部報道では李克強首相が外交面などで再評価され始め、以前に比べ求心力が低下したとも言われる習近平国家主席ですが、何とか力を維持しようと躍起になっているようです。しかし、無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』の著者・嶌さんは、習政権による強引な施策で国民たちの不満がたまり各地でデモが頻発していると指摘、故・田中角栄元総理の行った「列島改造論」のようには上手くいかないだろうとの見方を示しています。
「核心」となった習近平がたくらむ、1億人大移動計画から見えるもの
本日は中国を取り上げたい。習近平氏は「核心」という「中心の中の大中心」という意味の位に位置づけたと発表。この「核心」という言葉は党指導者として別格の存在であることを意味する呼称として、最近の中国メディアに頻繁に登場している。
「核心」というのは、毛沢東や鄧小平、江沢民・元総書記に使われたが、胡錦濤前総書記には用いられなかった。習氏は来年秋に開催される5年に1度の中国共産党全国代表大会度の大会で人事が決定するため、この時期に権威づけをしているのだろう。
その主な要因は…
自分は格別な存在になったということを世界に知らしめたわけだが、主な要因は来年秋に政治局常務委員7人が決定されることだと思う。定められた定年規定により68歳以上は中央政治局は退かなくてはならない。そのルールに則ると、習近平国家主席と李克強首相は続投の予定だが、その他の5人は退かなくてはならない。
そのため、今回「核心」ということを発表すると共に、党員の政治活動の指針となる準則を定めた。これにより、引き締めの重点を政治局常務委員や政治局員、中央委員ら「高級幹部」に置いたり、政権の求心力を維持するために「反腐敗」運動を続ける姿勢を明確に示すことで習近平一強体制をさらに強めた。