米国は本気で「鎖国」するつもりか? 孤立主義がもたらす世界の混乱

shutterstock_416111902
 

来年1月の政権発足に向け、着々と準備を進めつつあるトランプ氏周辺。「トランプ後の世界は中世に回帰する」との予測が出るなど、氏の大統領就任は世界に大きな変革をもたらすことが確実視されていますが、メルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者の津田慶治さんが、経済・外交・安全保障面など多方面から、トランプ新大統領が各国に及ぼす影響、変化について独自の分析を試みています。

米国の孤立化で世界秩序が変わる

トランプ政権は、外交・安全保障は共和党主流派が担い、国内政治と経済は保守強硬派が担う体制になりそうである。米国孤立化により、どのような変化が世界に起きるのかを検討しよう。

トランプ政権の構造と政策

マイケル・フリン氏かペンス次期副大統領が、ロムニー氏を国務長官にする提案をしたような気がする。外交問題は、信頼関係の上で継続が必要であり、極端なフレを起こすことはできない。

安倍首相はトランプ次期大統領と会談したが、その席にフリン氏がいたことで安心できたのではないかと思う。そして、ロシアと日本の交渉経緯を説明したような気がする。その上でロシアのプーチンとの会談に臨んだ。そのとき、トランプ氏からのメッセージを伝えれば、日本の立場は強化できる。恐らく、そうしたように感じる。

マイケル・フリン氏は、中東政策では、大きく変更するはずである。オバマ大統領の中東政策に反旗を立てて退役させられたのであるからそうなる。中東での戦争は無意味というのが軍人たちの共通した認識であり、その認識を現実化することになる。

そのフリン氏が日本に来て言ったことは、日米同盟は堅持するが、日本にも応分の負担を求めるということである。中国の拡大主義を止める必要も認識している。ということで、あまり変化がないか、より中国に強硬になる可能性もある。

経済政策は、インフラ整備減税と保護貿易になる。移民政策も厳しいことになる。温暖化防止のエコ政策もなくなる。このような政策を米国がやると、この思想全体が世界に伝播することになる。

世界秩序の根幹が変化するのは仕方がない。この影響を受けるのが、新興国や中国とヨーロッパである。もちろん日本も受けるが、より小さな影響になる。少し前の日本の考え方を米国が行うために、今までに準備できているためである。

リベラルの考え方は、グローバリズムの進展で、この考えが世界秩序の根幹であったが、それが変更されることになる。無くなるとした方が良いかも知れない。

print
いま読まれてます

  • 米国は本気で「鎖国」するつもりか? 孤立主義がもたらす世界の混乱
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け