旬の食材を「栄養」「中医学」「英語」という3つの面から紹介する『一石三鳥健康メルマガ』。今回ご紹介するのは、「きゅうり」の英語編。栄養はまったくといっていいほどないけれど、ダイエットに効果がある「きゅうり」を、昔から愛してやまない国があること、ご存知でしたか?
きゅうり ~英語編~
こんにちは、もげらもげこです。
今日は、きゅうりの最終回です。今回は、イギリスにおけるきゅうりにまつわる習慣をお話しします。あまり料理の得意な人が少ないイギリスにおいて、このきゅうりだけは昔からの習慣と切っても切り離せないのです。
アフタヌーンティーというのをご存知ですか。日本人の女性にとっては雑貨屋さんの名前ですが、イギリス人にとっては伝統的な喫茶習慣のことを指します。そして、このアフタヌーンティーにかかせないものが「きゅうりのサンドイッチ」なのです。
繰り返しますが、きゅうりだけのサンドイッチです。
ハムとか卵とか挟まないの???それともシェフ、あたしのだけ入れ忘れたの?と疑ってしまいたくなります。しかし、これにはちゃんとした理由があるのです。
もともときゅうりは、イギリスの気候では栽培しにくいものでした。それに加えて産業革命以降、農地がつぎつぎと工場に建て替えられていったため、野菜は輸入に頼るしかなくなったのです。
またアフタヌーンティーは、貴族の社交場として発展していました。新鮮なきゅうりをつかったサンドイッチを提供するということは、貴族が招待客に対して、きゅうりを栽培するための広大な土地や温室を有していることを表します。自分のステイタスを見せつけることができるメニューだったのです。現在でもその伝統は引き継がれていて、アフタヌーンティーにはかならずきゅうりのサンドイッチが供されます。
つぎのサイトをご覧ください。
著者の方が、きゅうりサンドイッチへの愛を語っています。
”Cucumber tea sandwiches are delicious. They are refreshing and light and very moreish.”
一行目からこう書かれています。lightとは、光のことではありません。この場合は消化がいいという意味です。moreishというのは聞き慣れない単語ですが、イギリス英語で、とってもおいしくてもっと食べたくなるという意味です。
”Some people recommend soaking the cucumbers in vinegar for a while before making the sandwich. This is an old-fashioned method still used in some traditional tea houses.”
soakはひたすという意味です。どうやら古くから伝わるきゅうりサンドは、きゅうりをしばらくお酢のなかに漬けておくそうです。せっかくパリパリしたものを出せるのに、わざわざお酢につけるのが贅沢だったんでしょうか???
さらにこのサイトの中では、3種類のきゅうりサンドイッチのレシピが載っています。きゅうりを挟むだけのサンドイッチなのに、3種類も作り方があるなんて?!と思った方、ぜひチェックしてみてください。
イギリス人がそんなにきゅうりサンドイッチが好きなら、スーパーでもきゅうりサンドが一番人気なのかと思い、イギリス在住の友人に確認してもらいました。
”I just checked Marks and Spencer supermarket, which is a middle class supermarket. Like I said, there is no cucumber only sandwiches. They have: cucumber plus tuna or cucumber plus salmon or cucumber plus other vegetables.”
Thank you Jennifer! どうやらきゅうりだけのサンドイッチというのは、伝統でありイギリス人みんな好きだけど、買うほどではないと思っているようですね。
さて、きゅうり編は今日で終わり。
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