これも、「価値割合」(売買価格の割合)に変えて、高層階ほど、土地の共有持ち分割合も、税負担も多くしていくのかしら…。と考えていたら、そもそも、売買価格の差は何で決まるんだろう? タワマンの「高層階」がそんなに高いのはほんとうに眺望の良さなの?という根本的な疑問が。
もし、まったく同じ仕様のマンションが、銀座と郊外の駅から数分のところに建ったとしたら、売り出し価格はかなり違うはずです。その違いは、建物の価値の違いはないのですから、立地の違い「土地」の持つ価値の違いのはずです。
じゃあ、建物の階の高さによる価格の差は、銀座も郊外も同じ割合かな…と考えると、銀座では、3階と最上階40階で、3倍の価格差が付いたとしても、郊外では3倍もの差は付かないと思いませんか?
銀座のタワーマンションの最上階が高いのは、銀座のタワマンの最上階というステータスがあってのことじゃないのかしら…。 ほんとうに、高さゆえの眺望の良さの問題なのかな…と。
なんか、なんでエルメスのバーキンがそんなに高いのかということと同じようなにおいがします。どんなに品質がいいと説明されても、価格は、それを超えて、高いものを持っているというステータス感が高い価格を形成しているような…。
とすると、建物の中で占める高さという位置より土地の価値の方が、部屋の高さによる売買価格の差を広げる要因になっているんじゃないでしょうか。
それと、もう一つは、価格が高いほど節税になるという節税効果が、高層階の価格の高さを誘発していた面もあるのでは…と。この節税効果がなくなったとき、それでも同じ水準の価格を維持できているのでしょうか。
いろいろ考えてみたけど、売買価格の差を固定資産税の評価額に反映させようと思ったら、建物なのか、土地なのか、両方なのか、どこに反映させるのが合理的なのか、結局、分かりませんでした。年末までには、具体的な対象や税額の計算方法を詰めるとのことですからそれを待つしかないですね。
でも、これは当然、これから建つ新築マンションに、2018年から適用と言うことで、過去に建ったものにさかのぼって適用されることはない訳です。富裕層の相続税対策購入は、その前にほとんど終わってしまいそうだし、隣合って建つ2つのタワマンが、建築時期の違いで税金のかかり方が違うことが、市場にどのような影響があるのか、分からないことばかりです。
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『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』
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