しかし、精子細胞の場合はそれとは異なる糖鎖マーカーが表面にあり、外敵ではないと認識されるような機構を備えていたのだそうです。そして重要なことに、それは癌が体内で増殖する際に宿主の免疫系から逃れるのと非常に似ていることもわかったそうです。
同様の糖鎖マーカーは、癌細胞の表面、寄生虫やHIVウイルスが感染した白血球にも存在するということです。すなわち、癌やウイルスに感染した細胞は、これらのマーカーを表面に出すことで、自分は外敵ではないは誤認させて、人の免疫系から逃れて疾患を引き起こすのだそうです。
このことは、逆にそのマーカーを利用することができれば、他人からの臓器移植や癌の転移を抑制することも可能になります。したがって、この発見は単に生殖過程の機構にとどまらず、癌の抑制や臓器移植を行う上でも大きな発見な訳です。
それにしても、精子君もたいしたもんですね。
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