「歴女」が東京美術倶楽部周辺を入念に事前チェック!
MAG2 NEWSで度々紹介してきた「第二十回東美特別展」がいよいよ今週末開催されます。歴史といえば任せてください!と案内役を買って出てくれたのは、女優や脚本家、Web番組のパーソナリティとして幅広く活躍中の浅間 千代さん。
この日も着物ながら、バッグに安土桃山時代の史書を忍ばせているほどの筋金入りの「歴女」。特別展の会場である東京美術倶楽部やその周辺のスポットを巡り、オススメのポイントをお伝えします。
なお、こちらの記事では東美特別展の特徴をまとめていますので、まだ特別展そのものについてあまり知らない、という方は是非チェックを。
参考:開催間近。三年に一度の「東美特別展」で超一流の芸術の秋を
まず歴女がチェックしたのは駅からのアクセス。会場の東京美術倶楽部は、都営三田線の御成門駅が最寄り駅。A4出口が便利です。出てすぐ、背後に東京タワーがあることに気づきます。
少し歩きますが、東京タワーまで15分程度。ただ、必ずしもタワーのふもとまで行かなくてもいいと言う浅間さん。「東京タワーって、眺めているだけで気持ちが安らぐというか、懐かしい感じがして、好きなんです。」
さて、東京タワーを背にし、御成門駅から東方向へ。愛宕警察署を左手に過ぎるとグレーの大きな壁面が現れます。
駅から徒歩4分。東京美術倶楽部に着きました。準備中のため中には入れませんが、少し浅間さんの表情も心なしか締まってきました。
「ここに日本最高峰の美術作品が並ぶことになると思うと、心なしか東京美術倶楽部という文字に威圧感があるように感じますね。」
アートにゆかりのある増上寺もチェック
初日と二日目は10:00〜19:00までの時間で開催されていますが、日が出ている時間に来られた方はとっておきの寄り道コースがあります。それは1393年に創建された歴史のある増上寺。東京美術倶楽部から徒歩10分程度で着きます。
重要文化財に指定されている三解脱門の近くでは、薪能やアートイベント、アーティストのライブが行われることも。浅間さんは朗読劇の脚本を書いたり、自ら出演もしているので、増上寺は歴史的な建造物としてだけでなく、アートの会場としても気になるようです。
「いつかここで舞台か朗読劇でもやってみたいです。」
残念ながらこの日、三解脱門は能楽の準備中のため、撮影できませんでした。
増上寺の敷地内に入ると、大殿と東京タワーが並ぶ、有名なロケーションが広がります。
「旧総門である大門から大殿までの道のりは、極楽浄土を表現していると言われています。大門から三門(三解脱門)までは108間。そこをくぐったこの場所は煩悩から解脱した状態なんですよね」
増上寺をそのような意識で訪れたことのある人はそういないのではないでしょうか。浅間さんは先ほどの東京美術倶楽部前で緊張した面持ちから、何か安心したような表情に変わっています。
ちなみに、増上寺の北には東京プリンスホテル、南にはザ・プリンスパークタワー東京があるので、カフェやレストランなどに立ち寄ることもできます。
東美特別展にも出店。「平山堂」もチェック
東京美術倶楽部に最も近いギャラリー、平山堂にもお邪魔しました。
東美特別展では江戸時代の絵師「青木木米」の作品を出品される予定です。青木木米は幕末の陶芸家としても名を馳せました。絵師としての活動期間の方が短いため、ある意味貴重な絵画ともいえます。
青木木米「溪山煎茶図」
平山堂の高橋豊さんに貴重な美術作品についてご説明いただきました。まずは円山応挙の掛軸「楚蓮香図」。
「この類の女性像は中国の絵画の影響を受け、華奢であったり、直線的なラインで表現する場合が多いですが、円山応挙は自らの好みをうまく取り入れ、弓なりというか丸みを帯びた姿が特徴的です。」と、高橋さんは作風だけでなく、背景も織り交ぜて丁寧にご説明いただきました。
浅間さん、説明を受けながらチラチラと目線を上下に動かしていましたが、高橋さんの説明を一通り聞いた後、
「あの掛け軸の2つある紐のようなものはなんですか?掛け軸によってはあったりなかったり・・・」
「あれは、風帯(ふうたい)といって、虫や鳥を避けるためのものだったらしいんですよ」
「え!でもあまり意味がなさそうですが。」と、目を丸くする浅間さん。
「中国では屋外でも掛物を鑑賞する風習があったそうで、昔の掛け軸にはよくついてるんですよ。今となってはほとんど機能していないですが。」
「掛け軸や屏風、絵画など多数ストックされているので、時間がいくらあっても足りないですね。思わず聞き入ってしまいました。」
いきなり、高橋さんが一つの掛け軸の前で電気のスイッチをつけたり、消したりし始めました。
「この絵をみてください、表情が変わるんです。」
狩野惟信「菊慈童図」
明るい状態の絵がこちら。
そして暗い時がこちら。
「暗い時は、背景の影響もあって、どこか表情が憂いているように感じます。」
「そうなんです。これは古代中国の物語を表現したものです。慈童の凛とした表情と悲しげな表情が両方読み取れる、非常に繊細な絵なんです。王に寵愛を受けたものの、あることがきっかけで流されてしまったが、この絵の中にある菊の葉の滴を口にしたところ不老不死の命を得た、という設定なのでそのような表現になったのだと思います。」高橋さんの説明を聞くと、さらに様々な表情に見えてきます。この画像でお伝えするのは難しいですが。
さらに珍しい極小サイズの画巻。
貫名海屋「馬関真景図巻」
江戸時代にはこのようなミニチュア作品も流行したそうです。
「ミニチュアってカワイイですね。画巻もそうですけど、箱はもっと(笑)。昔の人はどのように楽しんでいたんでしょうね。それを想像するだけで楽しいです。」
最後に高橋さんと。
最後に浅間さんよりメッセージです。
「東美特別展は、古美術・茶道具・近現代美術・刀剣のジャンルに分け、一流の名品が並ぶと伺っています。私は歴史が好きなので、美術作品がどのような背景で作り上げられたか、作家さんの心情だったり時代などが気になってしまいますが(笑)、歴史や美術作品に詳しくなくても、パッと見ただけで美しかったり存在感を感じたり、何か感じるものはあると思います。また、会場周辺にも訪れるといいところは多いと思いますので、お気軽に来てくださいね!」
◆第二十回東美特別展
特設サイトはコチラ
◆平山堂
東京都港区芝公園1-2-4
03-3434-0588
◆浅間 千代(あさま ちよ)
東京都出身
3月17日生まれ 魚座 O型
身長163㎝
趣味・寺社巡り、舞台鑑賞、歴史探究
特技・ホルン