インドとパキスタンで、「子どもに悪影響を与える」という理由で「ドラえもん」の放送禁止を呼びかける声が広がっています。世界的に人気のドラえもんが不評なのには「なるほど」な理由が。
「ドラえもん」は子どもに他力本願を植え付ける
インドとパキスタンで、アニメ「ドラえもん」は、子どもに悪影響を与えるとして、放送禁止を求める声があがっています。
理由は、ドラえもんの4次元ポケットから出される道具が何でも問題を解決するというストーリーは、子どもに自分で問題を解決するのではなく、他人に頼るという考え方を植え付けてしまう、というもの。
今回、この放送停止の声明を出したのは、パキスタン中部パンジャブ州の議会議員。
パキスタンの公用語であるウルドゥー語ではなく、隣国インドの公用語であるヒンディー語で放送されている点についても、パキスタンの社会規範を乱すとして問題視しているようです。
また、この放送禁止キャンペーンの中心となった議員は、実際に複数の家庭を訪れ、ドラえもんが子どもに与えた影響を調査したところ、ドラえもんを観た後、子どもが両親に逆らったり、宿題を放棄する行動がみられたと報告しています。
ドラえもんが放送開始された当初は、日本の技術力が生活の質を改善する事例として受け止められ、今では世界30カ国語以上の言語に翻訳され、2008年には日本文化大使としても一役買っているほどの人気者。
しかし今回、パキスタンで始まった子どもへの悪影響を懸念して放送禁止を求めるキャンペーンは、隣国のインドへも波及し、同じく問題視する声が広がっているようです。
「問題は自分で解決できる大人になって欲しい」という気持ちは、親であれば持って当然。
今回のドラえもん放送禁止声明の理由について、みなさんはどのように考えますか?
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source by The guardian / NIKKEI Asian Review
文/長塚香織