最近、論理的思考を小さいうちから養うことの重要性に目をむけた子供向けプログラミング教材が注目を浴びています。中でも、『Kano』というDIYコンピュータキットメーカーの新商品がとてもクールで話題になっています。
子供だけでなく、大人も欲しくなる?DIY型のカメラキット
Kano社は「だれにでも作れるコンピュータ」と銘打って、2013年に『Raspberry Pi』と呼ばれるシングルボードコンピュータを使って簡単に組み立てられるコンピュータキットを資金集めサイト(クラウドファンディングサイト)である「Kickstater」に公開し発表しました。
これは大ヒットになり、99ドルのキットは目標額10万ドルを上回る150万ドルを調達を達成。
これをモニターにつなげば独自のプログラミング言語「Kano Code」を使って、子供だけでなく様々な人がプログラミングを覚えることができる画期的な商品でした。
そして、今回新たなプロジェクトのひとつに「カメラキット」が登場しました。
Kano社CEOであるアレクッス・クレイン氏はこう話しています。
「『Kano』の原型は自分だけのアートやアプリケーション・プログラムやゲームを作れるプログラム言語を備えた組み立て式の小さなコンピューターでした。しかし今、私たちは物質的な世界に立ち戻る時だと思います。ひとつひとつの部品を組み立て、それがどうやって動くのかを知る。物理的な部分も含めた”コンピューティング”を実現したいのです」
クレイン氏が話すように、このカメラキットは部品を組み立てる過程を経て、どのように作動するのかを知ることができるのが醍醐味。
一体どんな機能を兼ね揃えているのでしょうか。
まず、カメラ自体を組み立てます。
前述の『Kanoコンピュータ』は、『Raspberry Pi』というマザーボードが使用されていますが、今回は残念ながら予算の関係で特注のものが使用されているそうです。
シンプルな部品を原寸大に近いマニュアルの画像をみながら順を追って組みたてていけば、ポップカラーのカメラがものの1、2分でできてしまいます。
ではカメラに備わっている機能をプログラミングで自在に組みあせてみましょう。
シャッターを押して、写真を撮る。
これは当たり前の機能ですね。
そのシャッターにタイマーをセットする
その時、フラッシュの動作をプログラミングする。
ここではフラッシュの色と光るまでの時間を定義しています。
独自プログラミング言語の「Kano Code」は、あらかじめライブラリに用意されているさまざまな動作をドラッグアンドドロップでパズルのようにはめ合わせながら使えるようになっています。
プログラミングの典型となる、”この条件に当てはまったら、この動作をさせ、そうでなければべつの動作をさせる”といったパターンがたくさん用意されており、カメラの持つ機能を、つないだコンピュータ画面上ではめ込んでいきます。
ここにマイクをつけると、マイクの音声でシャッターを切れます。
画像を万華鏡のように残すこともできたり、オプションも豊富で大人もハマりますよ。
センサーをつけてセキュリティカメラにもできてしまう。
瞬間をパシャリ!
このようにアイディア次第で使い方の可能性は広がります。
子供に買ってあげたはずが、大人が夢中になりそうな予感!
今回Kickstarterに出ている新商品は、カメラキットをあわせて合計3種類。
128個のLEDを使った『ピクセルキット』や『スピーカーキット』もあります。
image by: Kano
3つとも各99米ドルで、単体やセットでも選択できます。
元祖Kanoコンピュータキットもセットであれば手に入ります。
ちなみにこちらは『Kano』のオフィスの様子。クリエイティブな頭脳を持つ集団が集まります。
クラウドファンディングサイトは、新しい発想やスタートアップベンチャーを応援する場でもありますが、新しもの好きにとってはワクワクするような製品が応援価格で手に入る場でもあります。
こういうタイプの買い物も面白いですよね。
Image by: Kano
Source by: Kano, The VERGE Kickstarter, Youtube
文/桜井彩香