唐突ですが、神様と仏様、どちらが偉いのか考えたこと、ありませんか? 無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では、そんな疑問に対する「こども電話相談室」の相談員の秀逸な答えを紹介。さらに日本の信仰について解説するとともに、日本人の多くが勘違いしているであろう「お盆の真実」についても記してくださっています。
神様と仏様はどちらがエライのか?
私たちは困ったときに助けを求めて「神様、仏様、どうぞお助けください…」などと念じます。日本人にとっては、神様も仏様もごちゃまぜになっているような印象があります。
もともと仏教は大陸から伝わったもので、土着信仰の神道との融合は早くから行われてきました。少なくとも原始仏教(釈迦が最初に説いた教え)は大きく異なってきます。
どちらがエライのかはわかりません。
「こども電話相談室」に「神様と仏様はどちらがエライのですか?」という質問があって、
昔、ある歌手が「お客様は神様です」と言いました。その歌手のお客はお年寄りが多くて、みなさん亡くなりました。そう、みなさん仏様になりました。神様が死んで仏様になったので、仏様の方がエライでしょうね。
と答えたという「伝説」というか「噂」というのがあります。子供に対してうまいこと答えたもんだと思いますが、実際一般的な信仰の姿としては、どちらがエライかどうかはとりあえず置いといて、あるお寺ならお寺に、どんな神様も一緒に祀られているか…というのを見てみるのも興味深いかと思います。
たとえば清水の舞台で有名な清水寺。十一面観音さまを本尊とする「寺」ですけど、大黒天も祀られています。大黒天は、本をたどっていくと、密教の神様です。それが日本に伝わったのち、大国主命と結びついて七福神の一柱となります。仏教の神様でありつつ、神道の神様でもあります。
どんな宗教も土着の信仰と融合して様々に形を変えます。例えば「お盆」は「仏教の儀式」と思っている方も多いと思いますが、そもそも仏教は「輪廻転生」を説いています。「先祖の霊が帰ってくる」とする「お盆」と矛盾しますね。転生していたら、帰ってこないでしょう? 祖先の霊を祀るのはむしろ神道の方です。
そのときそのときで様々な「事情」(たいていは政治的)のもと、都合よく教えを融合したり変えたりして、今の姿になっていると思われます。
何が正しいのかというのは簡単には解説できませんが、私たちにとっての「神様」や「仏様」ってどんな姿なのかなあとあらためて考えてみるのもいいのではないでしょうか?