年金が「最低10年加入」に短縮へ。専門家が分析した衝撃の受給額

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無年金者対策として、年金受給資格期間をこれまでの25年から10年に短縮する法案が先日閣議決定されました。これにより64万人が新たに受給資格を得ることになるのですが、一体月額にしてどれくらいの年金を受け取ることができるようになるのでしょうか。そしてその財源は? 決して分かりやすいとは言えない年金のあれこれを、無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』の著者・hirokiさんがわかりやすく解説してくださいました。

年金受給資格の加入期間が25年から10年に短縮へ。一体どういう事?

9月26日に、平成29年9月分から年金受給資格期間が25年以上なくても、10年以上で受給資格が得られるようになるという事が閣議決定されました。施行日は平成29年8月1日。8月1日に受給権発生だから、翌9月分から年金が発生します。

年金というのは受給権発生月分の年金は貰えません。だから初回支払いは平成29年10月から、まず9月分の1ヶ月分を。その後は偶数月に前2ヶ月分を支払う。12月なら、10、11月分の年金支給。

この年金受給資格期間を10年に短縮というのは、平成24年8月に成立した年金機能強化法により実施される事が決まったものです。

年金機能強化法は、少子高齢化が進む中でも年金が生活の機能を果たせるようにという事でできた法律。消費税を上げて社会保障への財源に充てる事で実施されるものでした。

で、「受給資格期間が10年に短縮」について、元々は平成27年10月に消費税率を10%までアップする事を条件に、10年以上に短縮される事になっていましたが、消費税10%アップが平成29年4月に再延期され、更にまたも消費税アップが平成31年10月まで再々延期された事で、また年金も延ばされるのかと思われましたが、平成29年9月分からの支給という事になりました。

消費税という財源を確保出来ない中での、年金受給資格期間10年への短縮、という訳です。

さて、今現在は年金を貰うのに必要な期間は原則25年間です。つまり、この25年間に1ヶ月でも足りなければ1円も年金は出ないシステムです。

注意:原則25年以上無くても、いくつかの特例により年金を貰える人もいます。例えば昭和28年4月2日生まれの人であれば厚生年金期間のみ、もしくは共済組合期間のみ、または厚生年金期間と共済組合期間合わせて22年あれば年金を貰うための受給資格を満たします。

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