文化庁が実施している「国語に関する世論調査」。毎年「えっ、勘違いしてた!」という間違いに気づかせてくれるのですが、今年も多くの人が誤って覚えてしまっているであろう言葉が取り上げられていました。無料メルマガ『仕事美人のメール作法』ではその中から特に間違えやすい語句2つをピックアップし紹介しています。
本来の意味
なんとなくこういう意味だろうと捉え、そのまま使っている言葉に気づく機会を与えてくれる「国語に関する世論調査」をもとに、慣用句の本来の意味について取り上げていきたいと思います。
「奇特」
「世の中には奇特な人がいるものだ」という一文に使われている「奇特」。
文字の印象から「奇妙で珍しいこと」という意味と思い込んでいたのですが、本来の意味は「言行や心がけが優れていて、褒めるに値する様」。
「彼は奇特な人ですね」は変わり者という意味ではなく、感心な行いをする優れた人という意味です。
こうした感覚的な思い込みをしていた期間が長ければ長いほど、本来の意味を知ったときの驚きは大きいものです。
今回、文化庁の平成27年度「国語に関する世論調査」の結果の中に「奇特」が挙げられており、自分が誤った意味のまま、ずっと使い続けていたことを知り、恥ずかしくなりました。
「琴線」
「彼のスピーチは心の琴線に触れる内容でした」という一文で使われる「琴線に触れる」。
これは、物事に感動・共鳴しやすい心の奥深くにある感情を「琴の糸」に例えた言葉です。
心が激しく揺さぶられるような強い感情というより、じわじわとか、しみじみと心に響く様を表し、近い意味合いの言葉としては「心に染み入る」「感じ入る」が挙げられます。
良いものに触れ、感銘を受けることを指しますが、反対の相手の怒りを買ってしまう意で捉えられていることも多いようです。
相手の言動で不愉快になる気持ちを表す言葉としては「気に障る」「気分を害する」「角が立つ」などが挙げられます。