65歳以上は本当に「高齢者」なのか?
もちろん、第一に「60歳から65歳の定年制」で、まだ十分に元気で働くことができるのに、定年で失業する。厳密に言えば、女性の差別、門地の差別と同じ年齢の差別だ。
元気で人一倍働くことができるのに、ただ「高齢」というだけで職を失うのだから時代錯誤も甚だしい。そして定年を迎えると、仕事がなくなるので、精神的な支柱がなくなり、運動量も減るので元気を失って、時には病気になり、グチばかり言うようになってしまう。つまりまずは定年制を無くせば、ずいぶん多くの高齢者が元気になる。
第二に「悠々自適」などの錯覚を植え付けることだ。人生は適度な労働、頭を使うこと、人のためになっているという実感などが大切で、定年後は悠々自適とか旅行でもしてのんびりとなどは「人間的」ではない。つまり同じ日本人なのに牢獄に閉じ込めるようなものだ。
そして、第三に「低血圧に導く」ことだ。高齢になると血管が硬くなり、若い時と同じ血液を流そうとすると、血圧は高くなる。これは物理原則からいって正しい。そうすると血の巡りが悪くなるから、ガンになり、頭がボケる。
最近では「低血圧にしてガンを誘導し、ガンの治療法を研究して長く生きることができるようにする」というマッチポンプの医療政策がとられる。それで高齢者はガンになることを恐れ、ガンになって苦しみ、治療費がかかるというさんざんな結果に陥る。
確かに血管が硬くなっても血液を若い時と同じように流そうとすると、血圧が上がって血管が破裂したりする。しかし、心臓はその人の人生を考えて血圧を高くしているのであって、血圧が高いだけでは病気ではない。病的に血圧が高い場合を高血圧病という。血圧が高ければ、元気で暮らせるし、心も張り切る。楽しく暮らして、あるいは脳卒中になるかもしれないが、苦しんだりボケたりする老人は激減する。
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『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』より一部抜粋
著者/武田邦彦
東京大学卒業後、旭化成に入社。同社にてウラン濃縮研究所長を勤め、芝浦工業大学工学部教授を経て現職に就任。現在、テレビ出演等で活躍。メルマガで、原発や環境問題を中心にテレビでは言えない“真実”を発信中。
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