読みは同じだけれど、漢字1文字の違いで意味が異なる…、そんな言葉をビジネスメールで使ってしまうと、信用を落とすことにもなりかねません。無料メルマガ『仕事美人のメール作法』では、間違いがちな同音語をピックアップ、それぞれの正しい意味と使い方を紹介しています。
「配布」と「配付」
「はいふ」には「配布」と「配付」があります。
「配布」は、広く行き渡るように配ること。
例)街頭でチラシを配布する。
ビラの配布。
「配付」は、確実に相手に届くように配ること。
例)参加者にセミナー資料を配付する。
記者に配付する広報資料。
「配布」の「布」は、広く行き渡らせるという意味。
例)分布、流布、布教
一方、「配付」の「付」には、物を手渡すという意味があります。
例)還付、納付、付与
誰にでも届くようにばらまくのが「配布」、特定の相手各自に行き渡るように渡すのが「配付」というイメージでしょうか。ただ、新聞表記や法令用語では、「配布」に統一されています。
特に意味の違いを強調したい場合は「配付」としますが、通常は「配布」を用いて差し支えありません。
「規定」と「規程」
「きてい」には「規定」と「規程」があります。
「規定」は、物事を一定の形に定めること、定められた一つ一つの約束ごと。
例)規定の書式、規定種目
「規程」は、一定の目的のために定められた一連の条項。
例)服務規程
「規定」も「規程」も、守らなければならないことです。いずれも物事のやり方や内容などを決まった条文として定めること、その定められた一つ一つの約束ごとを指し、同じ意味です。
新聞表記では「規定」で統一されていますが、官公庁などの内部執務に関するものには「規程」が使われています。
例)国家公務員倫理規程
もう一つ、同じ読みの言葉に「既定」があります。文字通り、既に決定していること。
例)既定路線
反対語は「未定」です。
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