たっぷり乗った脂が焦げる匂いがたまらない…。秋の味覚・サンマを楽しみにしている方、多いと思います。無料メルマガ『おひとりさんが健幸的に食べるシンプル調理の和風レシピ!』では、そんなサンマの塩焼きをとびきりおいしくする技を、現役板前のgatugatu佐藤さんが伝授してくださっています。
世界一旨い!サンマの塩焼きの作り方!
今回は、「秋刀魚の塩焼きを美味しく作る方法」を暴露します! その作り方は、サンマの生臭みが取れ、身の弾力が出て、「旨み」が増幅します。そのまま普通に塩をふって焼いて食べるより断然旨くなる方法です。
その方法とは……「塩を2回ふる!」です。2回ふるとなぜ旨くなるのか? 1回目の塩をふって30分おくと……浸透圧の作用で塩分が魚に入り、身のタンパク質が変成し、のり状になります。これを焼くと固まって弾力が出ます。ふり塩をして時間を置くと分解酵素が働き、タンパク質が旨味のあるアミノ酸に変化します。そして、塩の脱水作用で魚の表面の水分が溶け出ます。そのとき、魚に含まれる、トリメチルアミンなどの生臭い成分も一緒に出ていくのです。サンマに付いているそれらのクッサイ成分をきれいに洗い流した後、「2回目の塩」を軽くふることで引き締まった味になります。これらの作用があるため、激的に美味しく旨くなります。
私は、サンマを食べる時は必ずこの「塩を2回ふる!」という方法で焼いて食べます。毎回、「やっぱり旨いわ」という台詞しか出ませんからね。一度、1回の塩をふっただけの秋刀魚と食べ比べたことがありますが、断然! 「塩を2回ふる!」の方法が旨かったですね。
詳しいレシピ公開です!
レシピ
【材料】
生サンマ……1匹
大根……1/5本
スダチ……1/2個
塩(塩は、できれば天然のあら塩を使って下さい)
1.サンマは流水できれいに洗います。
背中のところに「1本線の模様(青い線)」があるのでその線にそって切り込みを入れます(熱の通りをよくするために切り込みを入れます)。
2.まず、頭を左にして右の身の模様にそって、包丁が骨に当たるまで深く切り込みます。
しっかり骨に当たっていれば「カリカリカリ」と音がします。ヒレのところから尾のところまで真っ直ぐ切り込んで下さい。
3.左の身も同じように切り込みます。
この「切込みを入れる方法」なら、食べる時に箸で身が外れやすくなります。食べやすくなる。
4.両身に塩をふります。
ふる塩の量は……例えると、小雨が降り始めたときに傘に細かく水滴がポツポツ付いているイメージです。このまま30分くらい置いて塩をなじませます(臭みを取り、旨みを引き出すために30分おきます)。
5.大根は、皮をむいてすりおろしておきます。
輪切りの面をすリおろすと繊維に逆らうので細かい「おろし」になります。
6.30分後、サンマを水で洗い、塩を流し水気を拭き取ります。
臭みが混ざった水分が表面に付いてるのでそれを洗い流します。
7.もう一度、塩をふります。
始めにふった量より、少なくふって下さい。
8.2回目の塩をふったら、すぐにグリルで焼きます。
先にグリルの火を強火で付け、グリル内を温めておきます。グリルの網にサラダ油を塗ります(身が網にくっ付かないようにするため)。
9.約7分焼きます。
ところどころ焦げめが付くまで焼きます。
10.裏返して、左身を焼きます。
11.左身を約6分焼きます。
右の身よりは焦げ目が少ない焼き色になるまで焼くのが目安です。
12.両面焼けたら長い器に盛りつけ、大根おろしを添え、輪切りのスダチも添えて完成です!
濃口しょう油を大根おろしにぶっかけ、それをほぐした身といっしょに食べて下さい!
今日は、「さんま」と「大根」と「スダチ(レモン可)」を買っておいて下さい。
秋刀魚を美味しく焼く「塩を2回ふる!」方法は、
- 1回目の塩で旨味を引き出し、臭みを搾り出す
- 2回目の塩で味をつける
です。このイメージで、是非おいしいサンマの塩焼きを作ってみて下さい!