食卓に並ぶ日本食と聞いて思い浮かぶ食材に、「納豆」は欠かせません。そんな昔ながらの日本の食卓の定番、健康食代表の納豆が、今その高い栄養価で海外でも注目を集めています。納豆の栄養価に魅せられた微生物学者が立ち上げたという納豆屋さんがニューヨークにできました。
失われた栄養を取り戻すためには、「納豆」が効果的
NewYorkTimesによると、ニューヨークのthe New Schoolで食品科学を教えている微生物学者出身のAnn Yonemoto氏は、「最も健康に良い微生物を含む食材」として、納豆の魅力をニューヨーカーたちに広めるために、昨年納豆の専門店『NYrture Food』を設立させたそうです。
これまでは、食材の中に含まれる微生物について、特に言及されることはありませんでした。
それがYonemoto氏のように、食材に含まれる細菌を除去することによって、体内の身体にとって有効な微生物までも取り除いてしまっていると主張する研究者が増えてきたのです。
「食材は、以前はもっと新鮮で汚れを伴うものでした。それが今ではほとんど微生物の優位性を活かせていないのです」とYonemoto氏は語ります。
自らを「微生物の農場主」と名乗るYonemoto氏は、スプーン1杯に1000万もの有益な細菌が含まれると言います。
「特に納豆は多くの休止状態の細菌を含んでおり、それが体内に含まれると、細菌にとって適した環境である腸内で活躍を見せるのです」。
日本では昔から、発酵食品は健康にとって有益な微生物を多く含むとされてきました。
その代表格である納豆ですが、問題は、その「匂い」と「粘り」です。
子どもの頃から納豆を食べ慣れていない人にとっては、いくら日本の食材とはいえ、食べにくいものです。
そんなクセのある食材納豆が、果たして海外の人にどれほど受け入れられるのでしょうか。
ER (救命救急) のスーパーバイザーであり、生物医学研究者であるDr. Ralph Holsworth氏は「納豆に含まれる酵素は血液中の繊維素と化学反応を起こし、赤血球の「べたつき」を軽減させ、動脈壁の中の脂肪性沈着物の構成を防止する働きを助ける」と言います。
そしてこれらの現象が心臓発作などの症状を軽くする可能性があるそうです。
また、納豆は骨にも良いとされ、ニューヨーク大学の教授であり医師でもあるDennis Goodman氏は、日本国内でより納豆を食べる東日本で行われた調査について言及し、それによると、東日本では骨粗しょう症の重度が目覚ましく低いということが示されています。
これは、骨にカルシウムを与えるビタミンK2による効果であり、「ビタミンK2は食材からの十分な摂取が難しく、納豆は必要な摂取量を満たす唯一無二の食材と言える。スプーン1杯の納豆は300ミクログラムのK2を含み、それは1日に必要とされる摂取量の実に7倍の量である」そうです。
科学的にその効果を立証するまでにはまだ時間がかかるようですが、納豆の持つ栄養ってすごいんですね!
先ほどの『NYrture Food』ではニューヨーク仕込みのレシピを紹介しています。
ニューヨーカーの手にかかると「納豆」が一気にオシャレに!