親中派と見られていたフィリピンの新大統領・ドゥテルテ氏がついにキレてしまったようです。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者・北野幸伯さんは、「度重なる中国の非礼を受け、ドゥテルテ大統領は今や『反中派』になってしまった」と述べています。一体中国はフィリピンに何をしたというのでしょうか。
中国に「落とし前をつける!」フィリピン大統領の警告
皆さんご存知のように、中国は、「南シナ海は、ほとんど全部俺の物」というトンデモ「九段線」を主張しています。ところが、仲裁裁判所は7月、明確に中国の主張を否定し、フィリピンを全面的に支持しました。仲裁裁判所は、どんな判断を下したのでしょうか? CNN.co.jp7月13日付から。
中国は、海南島の南方から東方にかけて、南シナ海の9割を囲い込む「九段線」という境界線を設定し、資源採掘や人工島造成を行う権利の根拠としている。仲裁裁はこの権利を認めない立場を示した。
仲裁裁はまた、中国が人工島から200カイリまでを排他的経済水域(EEZ)としてきた主張に対し、人工島はEEZ設定の根拠にはならないと判断した。さらに、中国は人工島周辺で自然環境を破壊しているとの見方を示した。
これに対し中国は、「悪いのは仲裁裁判所!」「国際法を辱めた!」と猛反発しています。
仲裁判断、中国外交に大打撃 習主席「一切受け入れない」
AFP=時事7月13日(水)10時7分配信
【AFP=時事】オランダ・ハーグ(Hague)にある常設仲裁裁判所(PCA)が南シナ海(South China Sea)をめぐる中国の主張には法的根拠がないとの判断を示したことについて、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は、一帯の島々は古来より中国の領土だとして、政府は今回の判断に基づくいかなる行動も受け入れないと述べた。国営の新華社(Xinhua)通信が伝えた。
フィリピンの訴えを受けた裁判で仲裁裁が12日に下した判断は、天然資源も豊富な南シナ海の支配に野心を燃やす中国にとって外交的な大打撃となった。
中国政府は真っ向から拒絶しており、中国外務省は同日のうちに「判断は無効で何の拘束力もない」との声明を出した。
新華社によると、中国の在オランダ大使は「きょうはハーグにとって『ブラックチューズデー(黒い火曜日)』になったと批判。判断は「国際法を辱めた」とこき下ろした。
日本、アメリカ、インド、ベトナムなどが、相次いで「判決を歓迎する。中国は守るように!」という声明を出しました。中国は、世界的に孤立していきます。しかし、唯一の救いがありました。フィリピンで大統領が代わった。6月に大統領に就任したドゥテルテさんは、「親中だ!」と言われていたのです。