探偵の目線から子どもの「いじめ」の実態に迫るメルマガ『伝説の探偵』。今回は、夏休みが終わろうとする今の時期から急増する「子どもの自殺」の実態を、メルマガ著者のT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚さんが、仙台市の事例を取り上げ、わかりやすく掘り下げます。今や組織ぐるみで「いじめの隠蔽」が行われている中で、大切な子供たちを救う術はあるのでしょうか?
この夏の危険地帯と違法な組織
昨年のことだったと思う。こどもの自殺のデータが発表された。
内閣府の自殺対策白書によれば、9月1日に突出してこどもの自殺が急増している。
統計は、過去40年間で18歳以下の自殺を日別で表すものがあり、それによれば、9月1日は131人、9月2日94人、8月31日92人、9月3日82人、4月11日99人、4月8日95人など、4月上中旬、8月下旬から9月上旬までが他の日に比べて圧倒的に多いということがわかる。
9月1日といえば、夏休み明けの初日であろう。
夏休み明けの日は地域よってまちまちなのだが、例えば8月20日以降は増加傾向となる。
つまり、長期休暇をこどもが終え、学校が始まる直前乃至直後当日にこどもの自殺が集中して発生していることを意味するのである。
各都道府県教育委員会などは、このデータを受けて、各学校や教育委員会などに対策をするように指示したのだが、どうだろう?
これを読むあなたがもしも小中高のお子さんをお持ちであれば、学校の取り組みはきっと伝わっているはずである。
であれば、このデータはすでに知っているし、どうすれば良いかもわかっているはずだ。
だが、そもそも、こうしたデータを一般の保護者は知っているのだろうか?
と問えば、知らない方が圧倒的に多いといえる。
いや、知らないと断言してしまった方が妥当だろう。
つまり、これは周知されていないデータのなのである。また、学校も積極的には周知しない。
それは、ネガティブ情報は不安を煽るばかりで、学校の事務や運営に支障をきたす恐れがあると考える教職員が多いからである。