韓国政府の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」国内配備の発表を受け、中国国内ではすさまじい「韓国批判キャンペーン」が張られています。無料メルマガ『石平(せきへい)のチャイナウォッチ』では、中国の環球時報ネット版で紹介された軍高官・楊毅教授の発言に着目し、中国政府やエリート達が当たり前のように思考の拠り所としている「中華思想」の恐ろしさについて記しています。
周辺国は「教化されてない蒙童」…蘇った中華思想の亡霊 「覇主国家意識」が本音だ
先月13日、韓国政府が米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を韓国国内に配備すると発表して以来、それが自国の安全に対する「脅威」だと言い張る中国政府は「制裁」の部分的発動などの圧力を韓国側にかけてきたと同時に、各宣伝機関や御用学者を総動員して、韓国の措置に対するすさまじい批判キャンペーンを展開している。
こうした中で、中国の環球時報ネット版「環球網」は今月16日、ある軍関係者の韓国批判発言を紹介したが、それは実に興味深いものだった。
発言者は中国国防大学戦略研究所元所長の楊毅教授で、少将の軍階級をもつ現役の軍人である。韓国の「THAAD配置」に関する座談会で楊教授は、中国の意向に反して配置を決めた韓国に対し「徹底的な懲罰」を加えるべきだと主張した上で、こう語るのである。
「今度は徹底的に韓国を懲らしめることによって、今後のための1つのルールを確立することができる。(韓国だけでなく)周辺国に分からせよう。中国と付き合うのにはルールがある。(それに従わず)わがままな行動を取った場合、お尻をたたかれなければならないのだ」と。