千里の道も一歩から
「日本は、シベリアをジャンジャン開発し、中ロを分断せよ!」
めまいがするほど、「非現実的」に思えます。しかし、「現実的」なこと、「できること」「小さなこと」からはじめたらいいのです。
全然関係ない話ですが、1999年にRPEをはじめた時、読者数はたったの400人でした。それが17年経って、137倍増え、5万5,000人になった。「ニュース・情報源部門1位」、総合ランキング20~30位。小さなことでも、方向性を定め、一歩一歩前進していけば、思ったより速いスピードで進めるものです。
「中国の戦略を無力化するために、私たちは何をすべきか?」について、既に私たちは、知っている。次は、正しい方向にむかって、一歩踏み出すのです。
日本はかつて、「日ロ関係を改善させたい」と言いながら、政府高官がいうことは、「島返せ!」だけでした。それで、ロシア側もウンザリして、「もう日本とは話もしたくない」状態になっていた。ところが安倍総理は、5月のソチ訪問で、状況を好転させました。毎日新聞5月6日。
安倍晋三首相は6日午後(日本時間同日夜)、ロシアのソチを訪れ、大統領公邸でプーチン大統領との非公式会談に臨んだ。
日露関係はウクライナ危機を巡る日本の対露制裁で冷え込んでおり、安倍首相は事態打開のため、エネルギー開発やロシア極東地域の産業振興など経済を中心とした8項目の協力計画を提示した模様だ。
安倍首相が提示する協力計画は、原油やガスなどのエネルギー開発▽極東地域での港湾整備や農地開発などを通じた産業振興▽上下水道などのインフラ整備▽先端病院の建設―など民間協力を主体とした8項目。
ロシア側が求める経済の発展や国民生活の向上につながる協力に応じることで、難航する領土問題交渉で突破口を開きたい考えだ。
(同上)
「無料で島返せ!」が、「経済協力するから島返せ!」に変わった。以前よりはマシですが、まだまだですね。日本がロシアと仲良くする理由は、「島」がメインではありません(もちろん、それも大事ですが)。「尖閣・沖縄を露骨に狙っている中国の戦略を無力化させ、戦争を回避するため」です。
そういう「大戦略的自覚」をもって、日ロ関係改善に取り組んでいただきたいと思います。そのためには、
- 日本政府のトップが、「ロシアとの関係を改善させたい!」という明確な意志を示しつづけること
- 日本がロシアとの関係を改善させたいのは、「北方領土返還が最大の動機ではない」と伝えること(そして、「対中国」といってはいけない)
- 関係を改善させるために、「ロシアが何を求めているか?」を真摯に尋ねること(「経済制裁」「原油暴落」「ルーブル暴落」で苦しむロシアは、「経済協力」を求めているどういうサポートが一番喜ばれるかは、聞く)
- ロシアが望むものを、国益に反しない限り、できるだけ与えること
この「4」について、「そんなの日本が損するだけじゃん!」という批判も出るでしょう。ですから、歴史的例をあげておきましょう。