小池百合子氏が大臣時代にかけた、一秒の「ワン切り」電話の意味

arata20160804
 

保守分裂となった東京都知事選を圧勝という形で制した小池百合子氏。都民は「自民党の闇勢力に立ち向かう女性候補」としての小池氏を選択した形となりました。しかしメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』の著者・新 恭さんは、新都知事の政治信条がどこにあるのかはっきりしないとした上で、小池都政にはらむ「2つの危険」を指摘しています。

小池百合子が防衛事務次官の携帯に残した「一秒の履歴」

2007年7月4日に初の女性防衛大臣になり、自衛隊の栄誉礼を受けたときの気分を小池百合子はこう書いている。

このなんともいえない荘厳な空気の中で、国の守りを預かる役職につくのは、男性なら「男子の本懐」というところだろう。しかし、私は逆立ちしてもそうは言えない。ここは「女子の本懐」というべきか。

今回、女性で初めて東京都知事に当選し小池は再び「女子の本懐」を感じただろうか。

東京の大改革と大風呂敷を広げ、自民党に虐げられているイメージを強調したツケはまわってこないだろうか。

「根回し」が嫌いだという。その点は評価しよう。ウラの根回しですべて決め、オモテは茶番というのでは、有権者は真相を知らずに納得させられているおめでたき「観客」にすぎない。

だから、内田茂とかいう都議会自民党のドンへの挨拶や組織のオキテなど無視してけっこう。怒りをテレビカメラにさらしていた萩生田光一官房副長官(東京選出)や石原伸晃東京都連会長の気分に配慮する必要もない

だが、小池の「崖から飛び降りる」という勇ましさは、面倒くさいことを避け、人の心にかまわずショートカットしたがる彼女の性格とも深くつながっているのではないかと、ふと思う。

一例がある。防衛大臣に就任して間もないころだ。

「防衛省の天皇」と異名をとるワンマン事務次官、守屋武昌の首を着任早々に切った小池の荒業は特筆ものだが、守屋の携帯に残った小池からの「着信履歴」に姑息な手段の痕跡が刻まれていた。

これは、今後の小池都政の行方を占ううえでも欠かせない視点である。

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