マツキヨが首位陥落の危機。突如現れた「業界2位」の刺客とは?

 

調剤事業

調剤事業に関しては、医薬分業の推進、セルフメディケーションの気運の高まり、国策による「かかりつけ薬剤師・薬局」の役割の重視の流れにより、調剤専門薬局や調剤薬局併設店舗の需要が高まりを見せているため、調剤事業の可能性が広がっています。

マツモトキヨシは、調剤専門薬局および調剤薬局併設店舗の出店を加速させています。調剤事業の売上高は400億円を超えるとしています。調剤事業はウエルシアが強く、調剤事業が強い会社を子会社化してきた経緯があります。両者の競争が激しさを増しています。

カウンセリング営業

カウンセリング営業に関しては、その重要性が増しています。医薬品や化粧品、食品などを単に販売するだけでは価格競争に陥ってしまいます。付加価値として、利用客の悩みや問題を解決するカウンセリングを併せて行っていくことが求められています。超高齢化の社会や規制緩和の動向から、美と健康の分野の需要が高まっています。

マツモトキヨシは、美と健康の分野に特化した商品・サービスを展開する次世代ヘルスケア店舗「暮らしのヘルスケアショップ matsukiyo LAB新松戸駅前店」を15年9月に、創業の地である松戸市内にリニューアルオープンしました。薬剤師や管理栄養士、ビューティースペシャリストが美と健康についてカウンセリングを行います。

プライベートブランド商品

プライベートブランド商品PB商品)に関しては、価格競争からの脱却を図るために、商品の高付加価値化が不可欠となっています。競合他社にはない、差別化された独自のPB商品を開発することで、顧客の囲い込みを行っていく必要があります。

マツモトキヨシは、15年12月に新たなPB商品ラインとして「matsukiyo」を誕生させました。06年からPB商品「MKカスタマー」を展開していましたが、「マツキヨらしさ」をより前面に押し出すために、「matsukiyo」はひと目で同社のPB商品と認識できるようなロゴやデザインとなっています。

ドラッグストア業界はオーバーストア状態と言われています。そのため、M&A合併・買収の動きがより強まっていくでしょう。また、大手4社を軸に覇権争いが行われていくものと思われます。今後は、大手同士の合従連衡もあり得るでしょう。業界の特性上、規模の経済が働きやすいからです。どの企業が業界に君臨していくのか、目が離せません。

image by: Takamex / Shutterstock.com

 

店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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