物流のロボット化で大幅なコスト削減を実現した
ニトリの物流機能の進化は現在も進行中です。特筆すべきは倉庫の「ロボット化」でしょう。ニトリは人手をできるだけ介さずに物流の効率性を高めるため、今年の2月に子会社のホームロジスティックスの通販発送センターでロボット倉庫「Auto Store」を稼働させました。導入は国内初となります。
「Auto Store」はロボットがコンテナの出し入れを行う自動倉庫型ピッキングシステムです。高密度に収納されたコンテナの上に敷かれた専用レールの上をロボットが縦横無尽に走行し、コンテナの入出庫を行います。「Auto Store」の導入により、商品のピッキング等の作業時間の大幅な短縮と精度向上を実現しました。作業効率が3.75倍向上し、在庫面積を40%削減することができたとしています。
また、梱包用段ボールの自動裁断機「BOX ON DEMAND」も同時導入し、物流の効率化を実現しています。「BOX ON DEMAND」は、被包装物のサイズに合わせた段ボールを自動で製造する機械になります。様々な形状・サイズの段ボールを1個から製造することができます。作業の効率化を実現するだけでなく、労働環境整備にもつながっています。
こうした物流の効率化は数値として如実に表れています。2017年2月期第1四半期(3~5月)の販管費率は34.6%です。16年2月期(通期)の37.2%と比べて、大幅なコスト削減を実現したことがわかります。直近5年の通期の販管費率は35.8~38.1%の間で推移しているので、「Auto Store」や「BOX ON DEMAND」により販管費を抑えることができたといえます。
他社では見ることができない高度な物流体制を自前で構築したことが、ニトリの好調な業績を支えているといえそうです。
image by: Wikimedia Commons
『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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