2016年上半期の震度5弱以上の地震は23件
言わずと知れた地震大国・日本。2016年も約半分が経過したということで、この上半期に起こった地震を振り返ってみたところ、今年も例年通りかそれ以上に活発な地震活動が、日本列島周辺で起こっていることが浮き彫りになった。
気象庁ホームページの情報によると、昨年2015年の一年間に発生した震度5弱以上の地震は10件。それに対し2016年は、上半期の6月30日までの段階ですでに23件と、昨年の件数を軽く超えている。
↑2016年上半期に発生した震度5弱以上の地震(23件)の震央分布図(気象庁ホームページより)
ここまで件数が多くなったのは、今年4月の熊本地震が大きな原因だ。4月14日に起こった最大震度7の地震を皮切りに、その翌々日には同じく最大震度7の本震が発生。これらを含め、熊本・大分周辺では震度5弱以上の地震が、この約2か月半の間で19件も発生している。
なお直近では、6月12日に最大震度5弱の地震が観測されており、今後下半期もしばらくは余震に警戒が必要だろう。
道南・青森エリアでも大きな揺れが相次ぐ
いっぽう、熊本地震の陰に隠れ印象は薄いが、この半年で大きな地震が頻発しているのが、北海道の道南地方から本州の青森県にかけたエリアである。
今年に入って早々、1月11日に青森県三八上北地方を震源とした最大震度5弱の地震、そして1月14日には浦河沖を震源に、同じく最大震度5弱の揺れが発生していたこのエリア。少し合間を置き6月16日には、内浦湾を震源とした大きな地震が発生し、函館市では震度6弱の揺れが観測された。
全国各地に点在する電子基準点から得られるデータを元に、地震の予測を行っている民間団体JESEA(地震科学探査機構)によると、これらの地震が起こった道南・青森周辺は、地表変動の傾向が変化する“遷移帯”に当たるエリアだという。そのため、長期的にひずみが貯まっていてもおかしくなく、今後も注視が必要であるとのこと。
ちなみに、JESEAジェシア(地震科学探査機構)が配信するメルマガ『週刊MEGA地震予測』6月29日発行号では、余震が続く熊本周辺を含めた九州地方にくわえて、今年3月に一斉異常変動が発生した小笠原諸島を含めた南関東エリア、さらに東北・関東の太平洋岸、奥羽山脈周辺を、震度5以上の地震が発生する可能性が極めて高いエリアとして挙げている。
つい先日には海上保安庁が、南海トラフ周辺の広い範囲で地震を引き起こす源とされる「ひずみ」が蓄積されていると明らかにするなど、大規模地震の発生がさらに現実味を帯びてきている日本列島。上記の地域にお住まいの方はもちろんだが、それ以外の地域にお住まいの方も、最新の地震予測情報を参考に、来る日に向けて備えを万全にしておきたいものだ。
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