今、巷で話題の「グルテンフリーダイエット」。ハリウッド女優が減量に成功したことからブームに火がついたそうですが、『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』の著者でニューヨーク在住の医学博士・しんコロさんは、グルテン除去食はもともと特定の体質の人たちの食べ物であり、一般の人たちが食べても「減量」や「健康増進」は期待できない、と断言しています。
今話題の「グルテンフリーダイエット」って効果あるの?
Question
以前、しんコロさんのメルマガでグルテンフリーについてのQ&A がありましたが、最近日本では「グルテンフリーダイエット」というのがあるらしく、テレビでも話題になっています。実際のところ、グルテンフリーってどうなのでしょうか? グルテンフリーダイエットは効果があるのでしょうか?
しんコロさんの回答
最近グルテンフリーに関して誤解が多いようなので、今回は少し掘り下げて回答してみます。
結論から申し上げると、グルテンフリーダイエットが減量に役立つという科学的なデータはありません。2012年あたりから米国ではグルテンフリーダイエットがブームとなっていますが、これにはハリウッド女優達がグルテンフリーダイエットで減量に成功したとメディアなどで報道されたことがきっかけです。また、「ダイエット」という英語と日本語の意味の違いからも誤解が生まれています。日本語では「ダイエット」は「減量」という意味で認識されがちですが、本来英語では「ダイエット」は「食」という意味です。つまり、「グルテンフリーダイエット」は日本語に訳すと「グルテン除去食」になります。「グルテン除去による減量」ではないのです。
そもそもグルテンとは何でしょうか。グルテンとは、小麦、ライ麦、大麦などに含まれている植物性のタンパク質です。日本でも「強力粉」「中力粉」「薄力粉」とありますが、強力粉が一番グルテンの含有量が多く、薄力粉が一番少ないです。グルテンは粘りがあるので、パンやピザの生地作りにはその含有量が多い強力粉が向いており、逆にきめ細かくサックリと仕上げたい洋菓子などにはグルテン含有量が少ない薄力粉が向いています。うどんやラーメンの麺では中力粉が使われることが多いです。ちなみに、お麩は小麦グルテンそのものです。
さて、現在ではアメリカではほぼどのスーパーに行っても「グルテンフリー」と表示された食品が売っています。特に自然食品スーパー大手の「ホールフーズ」では様々なグルテンフリーの食品が取り扱われています。メディアでも取り上げられているし、自然食品のスーパーでも良く見かけられることから、グルテンフリー食品は「健康に良いのかも?」という認識が生まれてしまっています。でもこれは、必ずしも正しくはありません。
グルテンフリーの「健康増進効果」や「減量効果」の科学的根拠は無い