イギリスのみならず世界中が注目したEU離脱の是非を問う国民投票。英国の出した答えは「離脱」でした。これを受けて株式市場は混乱を極め、日米欧が為替で協調介入することを示唆しています。実際にイギリスがEUを離れるのは2年後ですが、高城剛さんはご自身のメルマガ『高城未来研究所「Future Report」』で、「今日を境に乱世が始まる」と意味深な発言をしています。
英国のEU離脱で欧州は分裂する
今週は、いよいよ本日開票が行なわれている英国のEU離脱につきまして、お話ししたいと思います。
2016年6月23日、英国が欧州連合(EU)を離脱すべきかどうかを決めるための国民投票が実施されました。直前の調査では、残留派と離脱派が、ほぼ拮抗している状態が続いています(編集部注:日本時間24日午後、イギリスのEU離脱が決定)。
まず、残留を支持しているのは、与党・保守党のキャメロン首相をはじめ、最大野党・労働党の多くの議員、それに、第3党のスコットランド民族党の大半の議員がEU残留を支持しています。経済界では、当然海外との取り引きの多い大企業や大手銀行が残留を支持しています。また、これも当たり前なのでしょうが、EUの助成金を得たり、共同研究や人事交流の盛んな大学や研究機関、研究者、学生の多くも残留派で、結果的に都市部エリートに残留派が多く見られます。
一方、離脱派の代表的人物は、先週も多くのコメントを取り上げたロンドン前市長のボリス・ジョンソンです。同じく政界では、与党・保守党のジョンソン下院議員や、キャメロン政権のゴーブ司法相、右派政党、イギリス独立党のファラージュ党首などが中心となっています。