日本ですっかりおなじみになった、家庭や仕事で大活躍するソフトバンクの人間型ロボット「ペッパー」。そのペッパーがついに海外の病院でアルバイトを開始したことが話題になっています。今後は「ピザハット」のスタッフとしても働く予定で、世界中から引っ張りだこのようです。
ベルギーの医療施設がペッパー導入 近未来で革新的な挑戦に懸ける
英BBCによると、ペッパーが働く舞台となったのはベルギーの2つの病院。
受付に患者が向かうと、そこには「近未来型の受付嬢」が温かく迎え入れてくれます。
#Pepper, el primer robot humanoide en atender a pacientes https://t.co/OzTHUXv4no pic.twitter.com/bI4aOuWl84
— La Jornada (@lajornadaonline) 2016年6月13日
ショッピングセンターや銀行、駅での設置に続き、医療施設におけるペッパー導入は今回が初めてとのこと。
このベルギーの病院では、今後10年にわたり、この「近未来型アルバイト」を増員させる予定とのことです。
ペッパーの売れ行きは好調で、すでに日本国内で1000台の販売実績があります。
さて、気になるこの”受付嬢”ペッパーのお値段ですが、通常の基本モデルのペッパーは1850ドル(約19万円)、こちらのペッパーはベルギーの病院用の特注で作られたため3万4千ドル(約350万円)もするとのこと。
受付業務だけでなく子供の心のケアや老人患者への運動プログラム支援もこなす
この身長1.2mの小さなロボットは、20ヶ国語に対応し、話している人間の性別も判別できます。
こうした特性を活かし、ベルギーのオーステンデにあるAZ Damiaan hospital では、受付業務だけでなく、患者を適切な病棟に連れていくことも可能とのこと。
ペッパーに課せられた業務はその他にも、小児科や老人専門の病棟における運動プログラムの実施や、手術を怖がる子供達の心のケアに貢献するため映画館へ連れていくこともあるそうです。
#Pepper the humanoid robot is now being used at @azdamiaan hospital in Belgium to look for patients #robots pic.twitter.com/Ji3CBUQBWK
— Judith (@AnotherEUJourno) 2016年6月17日
すでに病院で働くペッパーを見かけた人も。
I met Pepper at the hospital!! He says of “hello ” to wall lol #Pepper #robot #hospital #japan #science by makottie… pic.twitter.com/Kbd512b98t
— Otherbots (@Otherbots) 2015年11月5日
「病院でペッパーに会ったよ!彼は壁に向かって”ハロー”といってたわ(笑)」
ただ、ロボット関連の専門家たちの中には家庭用、商業用のロボットの利便性について懐疑的な意見を述べる人もいます。
Noel Sharkey教授は「いかにも人間らしいジェスチャーができるのはいいことです。しかし、人間の感情を見抜くことができるのかというと、それは言い過ぎかもしれません」と話しています。
ピザハットの新たな「刺客」 注文処理からお会計まで有能なペッパーにお任せ
情報サイトTHE VERGEによると、Pizza Hut AsiaとMastercardがタッグを組み、2016年度末までにペッパーを店舗に配置すると報じています。
計画通りいけば、ペッパーが顧客のオーダーを取り、処理するまでの工程を担当できるようになるとのこと。
これが実現すれば、このシステムをペッパーに取り入れるのは史上初になるそうです。
また、何を食べようか迷う顧客に対して、「本日のおすすめ」も含め、フレンドリーに商品説明をするなどの手助けも可能とのこと。
さらに、お会計の処理までこなすとのことですから有能な従業員になることは間違いなさそうです。
ふと入ったお店でペッパーがオーダーを取りに来る、なんていう日は意外と近いのかもしれませんね。
近未来的な接客は、お客さんのハートをつかむことができるのでしょうか?
image by: Instagram
source by: ソフトバンク, BBC, THE VERGE
文 / 臼井史佳