汚職の守り神…舛添、小渕、猪瀬を擁護した「逆ギレ弁護士」の正体

 

だが、猪瀬のケースは別として、第三者の調査をうたう東電や小渕、舛添の場合、一つの根本的な疑問が浮かぶ。

そもそも、疑惑の当人なり企業が自ら委員を選任し報酬を支払う第三者委員会、あるいはそれに類する弁護士チームの調査を、どこまで中立、客観的なものとして信頼しうるかという問題である。たとえ「第三者の目で調査を」と依頼されても、「どうぞよしなに」という相手の本心は読み取れる。客観、中立という意味での第三者として調査にあたるのは実際には難しい。丁重にお願いされたら、好意的にはからいたくなるのが人間の常だ。しかも推測だが、こうした場合の報酬は相当なものだろう

佐々木弁護士はどう考えるのか。舛添問題報告書の内容を説明した後、記者から「疑惑を抱える本人から依頼されて、調査を行うということで客観性は確保されるのでしょうか」と質問されたさい、佐々木はこう言い放った。

第三者委員会というのは、基本的にはそういうものです。今回はもちろん第三者委員会ではありませんけれども、第三者委員会のことをあまりご存じないと思いますけれども、第三者委員会というのは基本的にそういうものです。

シロウトは黙っておれ、と言わんばかりではないか。ロクな説明もせずに「そういうものです」と押しつけるやり方は、善三さんにとっては大きな武器かもしれないが、良識の世界では通用しない

舛添の調査報告書で、誰もが「不審」に思ったのは、2013年と14年の正月、木更津のホテルに家族とともに政治資金で宿泊したさい、出版会社社長が訪ねてきて面談したと舛添が説明しているにもかかわらず、佐々木弁護士らが出版会社社長に直接確認をとっていないことであろう。その社長は元スポーツ新聞の記者で、競馬雑誌を発行し、競馬界で名の知られた人物らしいが、昨年秋に亡くなったという報道がある。ただ、舛添が言う社長がその人であるという確証は今のところない。

いずれにせよ知り合いの出版会社社長が2年連続、それもわざわざ正月、ファミリーがくつろいでいるホテルにやってくる無粋な行動をとるとは、ちょっと考えにくい。本当の話ならその氏名を明らかにすれば、舛添に対する疑いはいくらか晴れたはずだ。

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