吉野家は二度救われた。代打の「豚丼」がもたらした奇跡の復活劇

吉野家は二度救われた。代打の「豚丼」がもたらした奇跡の復活劇
 

マクドナルドも「復活販売」している

実は、昔販売していた商品を復活販売することで客数を獲得する戦略は豚丼以外でも見ることができます。たとえば、マクドナルドのマックリブ」が挙げられます。マックリブは2001年4月に初登場しました。その後、販売と販売休止を繰り返しています。販売する際は「復活販売」として期間限定で販売します。

これはおそらく、意図的に「復活販売」していると思われます。期間限定で販売することで希少性を高め話題性を喚起することができるからです。たとえば、11年9月から期間限定で、約3年ぶりの復活となる「マッックリブ」と「ダブル マックリブ」を販売し話題を集めました。米国ではマックリブの熱狂的なファンがいることで知られていて、マックリブの復活販売に合わせてマックリブにまつわる動画コンテストが開催されたほどです。

話を吉野家に戻します。豚丼の復活販売は同社の業績回復に大きく貢献しました。しかし、予断を許さない状況です。吉野家を運営する吉野家ホールディングスの16年2月期の営業利益率はわずか0.9%です。ライバルの「すき家」を運営するゼンショーホールディングスの16年3月期の営業利益率2.3%と比べても、経営状態が良好とは言いがたい状況です。薄氷を踏んでいる状況といえます。

豚丼の復活販売が吉野家の業績向上の起爆剤となっていくのか。今後の動向に注目したいところです。

image by: Lewis Tse Pui Lung / Shutterstock.com

 

店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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