【ADHD】落ち着きがない子は、仕事中毒な大人になる ー最新研究

2016.06.13
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日本でも人口の3%を占めると言われている注意欠陥・多動性障害、通称ADHD。近年、日本では子どもの発達障害としての認知度はある程度あるものの、大人のADHDについては、まだそれほど広く知られていません。そんな中、ADHDの人はワーカホリックになりやすいという研究結果が、今月、ノルウェーで発表されました。

日本の人口の3%を占めるといわれるADHDとは?

みなさんはADHDという言葉を聞いた事はありますか?

ADHDは日本語で「注意欠如・多動性障害」と呼ばれ、不注意(集中力がない・気が散りやすい)、多動性(じっとしていられない・落ち着きがない)、衝動性(順番を待てない・考える前に実行してしまう)などの3つの要素がみられる発達障害とされています。

このような行動から、従来、子ども特有の症状とされ大人になるとともに改善されていくものと考えられてきました

しかし、近年、「大人のADHD」に関しても、徐々に認知度が高まりつつあります。

大人のADHDの割合は人口の約2.5%

子どもの時からADHDの症状を持ち続ける人が半数以上いるとされています。

大人の場合は、複数の仕事をこなす事ができない、〆切を守れないなどの行動から、責任感が足りない、仕事ができない人、など、まわりの人から悪印象を受けてしまうケースもあり、ある意味、子どもよりも厳しい状況に身を置いている人が少なからずいます。

ADHDであると自認していない場合は、自分の能力が低いと考え、鬱病などを併発してしまうことも。

ADHDにはワーカホリックとの深い関係性があった?

Live Science誌は今月2日、「ADHDの人は、ワーカホリックである割合が通常の人に比べて高い」という研究結果について掲載しました。

ワーカホリックとは、家庭や健康などの私生活を犠牲にしてまで、仕事に打ち込む「仕事中毒」のこと。

今回、ノルウェーのベルゲン大学で行われた研究では、16,426人の大人を対象に調査を実施。

すると、ワーカホリックである人の33%にADHDの症状があり、対して、ワーカホリックでない人の中ではADHDの割合が13%に留まったとのこと。

研究者は、ADHDであるがゆえに、仕事が効率よくこなせず結果的に長く働くことになってしまう、または、ADHDの症状のひとつである衝動性により、プロジェクトやタスクを余計に請け負ってしまうなど、何かしらの関連性があるものと見ています。

現在はADHDに対する投薬治療なども行われていますが、はっきりとした原因もまだわかっておらず、研究がすすめられている段階です。

ADHDの人はアイディアに優れ行動力があり好きな事だと類い稀な集中力を見せるとも言われています。

実際に、起業家、ハリウッドスター、日本の芸能人の中にも、自身がADHDであると打ち明けている人たちがいます。

けれども、能力を発揮するためには、自分がADHDとうまく付き合う方法を学び、まわりの人たちによる認知と理解が必要です。

もし、まだご存知でなかった方は、ぜひ頭の片隅にADHDについての知識を置いて生活してみてくださいね。

image by: Shutterstock

source by Live Science/ ADHD.co.jp

文/長塚香織

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