がんの転移は、精神的なストレスを除くと抑えられる ー海外医学誌発表

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日本人の死因のトップ、癌。現在は医療技術の進歩により、病変部の除去自体はそこまで難しいものではなくなってきましたが、転移が一度起こってしまうと途端に悪化するため、「怖い病」という事実は変わりません。無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』では、その転移の抑制にストレスホルモンが関係しているという研究結果を紹介しています。

癌の転移は、精神的なストレスを除くと抑えられる

残念なことですが、今年も多くの有名な方ががんで亡くなっています。私の好きな物まねの四代目江戸家猫八さんも3月21日進行性胃がんで亡くなりましたが、66歳という若さで、寄席の世界ではこれからますます味が出てくる人と期待していたのですが…。

癌は転移がなければ、それほどこわい病気ではありません。外科技術の進歩により、ほぼ完全に病変部のみを除去することができるからです。しかし、癌摘出手術の問題点として、手術後に急に癌転移が促進されることがあります。一旦転移が起こると、もはや手がつけられなくなるので、この癌転移を抑えることが近年の癌治療法の重要な課題です。

そこで今日は、癌除去手術の後の転移には、精神的なストレスが大きく影響しているという話題です。そして、このようなストレスを減らすと、転移も起こりにくくなることが明らかになっているそうです。

これはテルアビブ大学心理学部Shamgar Ben-Eliyahu教授が、脳関連医学誌the journal Brain, Behaviour, and Immunityに報告したものです。

● Stress and fear can affect cancer’s recurrence

手術後の精神的なストレスは、免疫系に強く影響することはよく知られていますが、医学関係者の間では、そのような心理的な面はあまり注目されていませんでした。むしろ免疫力の低下は、手術による物理的なダメージによるものであると考えられていたわけです。

そこでこの研究者は、精神神経免疫学と呼ばれる新しい学問領域に注目し、手術後の精神的なストレスが重要ではないかと考え、調査をしたのだそうです。

実験として、担癌動物から癌の切除手術を行う際、アドレナリンなどのストレスホルモンの分泌を抑制した場合における手術後の癌転移の頻度を調べました。その結果、通常のストレスホルモンを分泌した場合に比べて、ストレスホルモンの分泌を抑制すると癌の転移が抑制されること、また癌切除手術後の生存期間も2~3倍に延長することがわかりました。

これらの結果から、手術の前後での心理的なストレスが免疫機能に悪影響を与え、免疫力を低下させて癌転移を促進させるとしています。したがって、癌摘出手術などの強いストレスが起こる際には、なるべく精神的にリラックスして、ストレスホルモンの分泌を抑えることが癌の転移抑制に重要で、そのようなケアを取り入れるべきであると結論しています。

結果そのものは動物モデルを用いたものですが、癌のケアに取り入れられることを切に祈ります。

image by: Shutterstock

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