渇きを癒すためについつい清涼飲料水に手が伸びてしまいがちな夏場。しかし『森の診療所から始める 旅こそアンチエイジング』を配信する現役医師でシニア野菜ソムリエの宮田恵さんは、それらはイライラや冷え、倦怠感の原因になると警告します。さらに夏バテを防止する食べ物もあわせて紹介しています。
清涼飲料水を飲むと夏バテしやすい?
清涼飲料水を飲むと夏バテしやすいと聞きましたが本当なのでしょうか。
また夏バテ防止になる野菜や料理をおしえてください。
宮田先生の回答
今年はいつになく暑い日が早めに到来しています。体力温存して乗り切りたいですね。
食品衛生法に基づく通知では、乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満を含有する飲料をいうものであること。トマトジュース、摂取時に希釈、融解等により飲み物として摂取することを目的としたもの(例えば、濃厚ジュース、凍結ジュース等)もすべて含まれる、とされています。
つまり牛乳や作ってすぐの野菜ジュース以外のものはほとんど清涼飲料水なのですね。
こういった清涼飲料水は果糖やショ糖など単純糖質が多く、すぐに吸収され血糖値を上昇させます。高血糖になるとあわててインスリンが出て今度は反応性の低血糖が生じるので血糖を上昇させる機構がはたらき、カテコラミンが出るのでイライラや冷えの原因になります。しかも糖代謝はビタミンBを消費しますので、倦怠感などを起こしやすくなります。
夏バテ予防には抗酸化物質やバランスの良い脂質摂取が重要です。具だくさん味噌汁やスープ(冷たくても可)、できればこれに大麦やハトムギをいれて雑炊風に、そして季節の野菜と納豆と大匙1つのオリーブオイルとエゴマあるいはアマニ油ですね。野菜は薬味、あるいは苦味のある野菜の油いためをおすすめします。
具だくさんハトムギスープ。
トマトスープも今の時期のトマトならではの美味しさと滋養。
夏野菜には夏バテ防止や紫外線のダメージを癒す成分がたっぷり。
ニンニクはいろいろな料理に使いたい。
ラードを使用していないスパイスたっぷりカレーは薬膳でもあります。
以上、清涼飲料水にはこれらの成分がありません。
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