海外在住の日本人がリレー形式でコラムを配信する無料メルマガ『出たっきり邦人【アジア編】』。今回は先日行われた「フィリピン大統領選挙」についての現地レポートが届きました。その超過激な発言から「フィリピン版トランプ」と揶揄されながら、みごと新大統領の座を射止めたロドリゴ・ドゥテルテ氏とは、いったいどんな人物なのでしょうか?
統一選挙 でた~フィリピン人
フィリピン統一選挙。大統領含めフィリピン議会上院下院、市長、地方議会など1万8,000以上もの議席が国民直接投票で選ばれる。
長期独裁政権を敷き、国政を私物化したとして1986年の「ピープルパワー政変」で失脚したマルコス大統領以降、大統領の再選を禁じ、基本任期は6年、地方では任期3年、同一の職は最大3期9年までしか許さないと定められた。
なぜ基本かというと、かの俳優大統領エストラーダ政権時、エドサ革命2とやらを起こし、エストラーダをマラカニアン宮殿より追い出し勝手に(だって、まだ弾劾裁判途中だったわけで)大統領宣言をした当時副大統領だったアロヨさんが、結局エストラーダの任期残り分プラス、次の大統領戦で当選となったため実質6年以上務めている場合があったからだ(でもこれってきちんとした法的手続きを踏んでないわけで、一部では無効だったといわれてますけどね。現にエストラーダはずっと「自分はまだ大統領だ!」って言いはってたし)。
この大統領選挙。まあ立候補は自由なんだが、今回はどうやら130人が立候補したらしい。もちろん多くが全くそぐわない連中なので、結局早々に絞られてきた。
教会の前に捨てられていた捨て子で、その後「キング」という愛称で親しまれた超有名俳優の養女として育ったグレースポー上院議員。
ものすごい治安が悪かったダバオ市をデッカイバイクを乗り回し、私設処刑団さえ使ったという噂までたったが、実際治安を劇的に向上させたダーティー・ハリーの異名をもつドゥテルテ・ダバオ市長。
現職のアキノ大統領から後継者氏名を受けた、爺さんが元大統領というサラブレット、ロハス前内務自治長官。
マニラマカティ市元市長で一族がマカティ市の要職を占めるビナイ副大統領。
それぞれ
「清廉だが出自不明」
「豪腕だが独裁」
「エリートだが坊ちゃん」
「生え抜きだが汚職政治家」
評価と批判両方で報じられていたがまあこの辺だろうと言われていた。
次ページ>>「普通は絶対選ばれないだろう」と思われていた人物が!