私たちヒトをはじめ多くの生物にとって生きるために欠かせない酸素ですが、もともと地球上に存在していなかった可能性がある、というのはよく知られています。無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では、どのようにしてこの星に酸素がもたらされたのか、そしてその酸素が「毒」である場合もあるという興味深いお話を紹介しています。
大事なんだけども毒でもある
酸素は空気中に約20%ほど含まれています。私たちの周りの空気の約78%ほどが窒素。残りの2%のうち半分ぐらいがアルゴンというガス。後は二酸化炭素やネオン、水素、ヘリウムなどです。二酸化炭素は約0.04%ほどで意外に少ないのです。
私たちを取り巻く空気のうち、生きていくために欠かせないのが酸素です。ところがこの酸素は、ある面から見ると生物にとっては「毒」なのです。
ええ? 必要なのに毒なの?
というのも、酸素はフッ素に次いで電気陰性度が高くて…というと話が難しくなるのですが、ものすごく簡単に言ってしまうと、ほかの物質との反応性が高いということなのです。
反応性が高いとどういう不都合が起きるかというと、相手と自分がくっついてお互い変化してしまう、というイメージを持ってもらうといいと思います。体内でそれぞれの役割を持つところが酸素と反応してしまうと、本来の機能を発揮できなくなります。
もともと地球上には酸素は存在しなかったと考えられています。それが植物(藻の類)が現れ、光合成をするようになり、地球上に大量にあった二酸化炭素を吸って、栄養を作ると同時に酸素を作り出します。酸素を吸ったがために絶滅した生物も相当あったのではないかと考えられます。
では私たちはどうして生き残っているのでしょうか?
酸素は確かに反応が高いためにありすぎると毒ですが、うまく使えばエネルギーをたくさん生み出してくれます。乱暴な言いかたですが、今の生物は「酸素をうまく使う」という仕組みを手に入れたのです。酸素でやられる生物がある一方で、酸素をうまく活用し、より活力のある元気な生物へと進化していったのです。
ヒトをはじめ、多くの生物にとって欠かせない酸素ですが、発生した当初は猛毒だったというのもなかなかおもしろい話ですね。
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