戦後70年の今年の終戦記念日に出される予定の「安倍談話」。米議会演説で高評価を得た安倍総理とそのブレーンはどのような内容を盛り込むのでしょうか? 軍事アナリストの小川和久さんはメルマガ『NEWSを疑え!』の中で、安倍外交は米国だけではなく、やはりアジアにも目を配るべきと伝えています。
戦後70年談話で謝罪外交に決別する
国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川和久
Q:安倍晋三首相は2015年4月29日(アメリカ東部時))、米連邦議会上下両院合同会議で「希望の同盟へ」と題する演説をしました。今回は、この安倍演説について小川さんの評価を聞かせてください。
小川:「日本の内閣総理大臣が米議会で演説したのは1961年6月の池田勇人首相以来54年ぶりで、上下両院合同会議における演説は安倍さんが初めてでした。まず、演説の動画など関連リンクを掲げておきましょう。産経サイトを見ると、アメリカの政治家たちの評価も高かったことがわかります」
●米国連邦議会上下両院合同会議における安倍総理大臣演説「希望の同盟へ」
●同(首相官邸) ●同(外務省) ●安倍総理大臣の米国訪問(結果) (外務省)
●副大統領「責任明確にした」 下院議長「英雄賛辞に心から感謝」 元大使「Aプラスだ」(産経新聞 2015年4月30日)
スピーチライターは「殊勲甲」
Q:小川さんは、安倍演説をどう評価しましたか?
小川:「私は、非常にうまくいったという印象を強く持ちました。結果オーライという意味ではなく、アメリカをはじめ世界に通用することを意識して練り上げた演説の中身そのものが、客観的に見てよかった。もともと安倍さんを買っている人は当然よい演説だったというでしょうが、あの中身ならば、安倍さん以外の政治家が演説しても、それなりに高く評価されたでしょう」
「というのは、アメリカ人と波長がピタリと合った演説でした。私の母親は外国育ちで怒ると英語しか出てこないような人でしたが、母が聞いても絶賛したと思います。彼らがどんな話に好意的に反応するか知り尽くした人物が、ユーモアやジョークをちりばめ、『Japan is back』(日本は戻ってきた)といった決め台詞のポイントも押さえてスピーチ原稿を書いた。この点でスピーチライターは『殊勲甲』です」