でも、これもまた「日本の大事な技術やノウハウが流出していく」と悲観的に考えてしまう人も多いのですが、これを逆にチャンスだと考える人がどんどんビジネスチャンスに変えていきます。中国にどんどん人材を提供していきますよ、中国にどんどんノウハウを伝えていきますよ、という企業が出てきて、商機をつかんでいくでしょう。
例えば、日本ではフレンチやイタリアンなどに比べて日本料理の料理人は地味な存在なので、きっとどんどん中国など海外に流出するでしょう。「それだとだんたん日本料理が廃れていってしまう」と悲観論者はすぐ危機感的な話をしますが、これを逆にチャンスだと捉える人は、日本人も外国人も関係なく、日本料理の料理人をどんどん育成するビジネスを作ります。
でも、そうやって日本で培った技術を持つ料理人が海外のあらゆる場所でどんどん厨房に立っていけば、それだけ本物の日本料理を海外に伝えることができるということです。それだけでも、日本政府が観光PRに投じる予算よりはるかに効果の高いPR効果になるはずなのです。
だからこれも、日本と外国を分けて考えるから流出だ喪失だと騒ぎ立ててしまうわけで、「良いものを日本から作っていく」という本質さえきちんと軸に持っておけば、場所が変わろうが別に大した問題ではありません。
中国人が爆買いするからとか、どこの国が好況だからとか、そういうことを気にして経営戦略を立てるのではなく、「どんな時代にも求められる物は、どんなものなのか」という本質をきちんと理解するべきなのです。
【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
・中国による「爆買い」が今よりも失速していくと、今後は日本で、また中国で、世界で、どのような現象が起きてくるか。自分の考えをノートにまとめる。
・「爆買い」が失速しても意外に売れ続けていく物は何か、考えてみる(物体だけではなく、技術やノウハウといった形のないものでも可)。
image by: MOTOKO / Shutterstock.com
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