現在、世界中で大騒ぎとなっている「パナマ文書」問題。連日ニュースでも報道され、史上最大のリーク事件と言われるこの事件について、メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』の著者・高城剛さんは、事件直前の英国領ヴァージン諸島で実際に目撃したという「リアルな予兆」を伝えるとともに、この「パナマ文書」は始まりにすぎず、これから数年で次々と世界の暗部が表に出てくると持論を展開しています。
パナマ文書がここまで騒がれる背景
今週は、史上最大のリークと言われ、全世界のトップニュースを飾っています「パナマ文書」につきまして、私見たっぷりにお話ししたいと思います。
パナマ文書(Panama Papers)とは、パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」によって作成された1000万件を超える租税回避に関する機密文書で、合計2.6テラバイトに及ぶ史上最大のデジタルリークのことです。
この文書には、世界的な大企業や政治家、富裕層の人々の名前が記載されており、公的組織も存在し、世界中で大きな波紋を呼んでいます。
事の経緯は、匿名で2015年にドイツの新聞社『南ドイツ新聞』に内部関係者から漏らされ、その後、ワシントンD.C.にある「調査ジャーナリスト国際連合」でも照会され、約400名のジャーナリストが文書の分析に加わり真偽を確かめました。
この書類には、日本国内を本拠点とする約400の人や企業の情報も含まれています。
なにより流出データ量が膨大で、ウィキリークスやスノーデン事件を遥かに凌駕する21.4万社のオフショア会社の電子メール・契約書・スキャン文書などが漏洩しています。
まず、オフショアとは「オフショア金融センター」(offshore financial cente)のことで、いわゆる租税回避地(タックス・ヘイブン)を指します。
少し乱暴に言えば、オフショアとは国家として非居住者の節税を助ける地域で、多くは産業がない小国に「ペーパー・カンパニー」を設立し、合法的スキームを組み上げ、顧客の税金の支払いを軽減する機能を持っています。
このスキームを作っていた大手のひとつが、パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」です。
なにしろ、「ペーパー・カンパニー」と呼ばれるくらいですので、その書類を作る人たちがスキームのキーマンとなります。ちなみに「モサック・フォンセカ」は、国際的にオフショアを利用する金融関係者なら誰でも知る有名な法律事務所で、「あのモサック・フォンセカ」から情報が漏洩してしまったことが、本件を重大にしているのです。
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