レストランの店頭に並ぶ「食品サンプル」(プラスチック・フード)が、海外からの観光客を中心に注目を浴びています。東京・浅草の近くにある道具屋街「合羽橋(かっぱばし)」では、お土産として買い求める人の姿も。すでに日本文化のひとつとして地位を確立しつつある食品サンプルを、海外からの視点で見てみましょう。
食品サンプルは、もはや日本文化の一端
皆さんは子どもの頃、レストランの店頭にある食品サンプルに驚いた記憶はありませんか?
「本物なのかな?」と、思わず触って確かめてみたという経験は、誰にでもあるはず。
今、この食品サンプルが海外から訪れる人たちに大注目を浴びています。
先月25日、NPR誌は、「日本の食品サンプルは、本物のアートだ」という記事を掲載しました。
写真家のシェルナーさんは、1990年代に日本を訪れ、初めて食品サンプルを見た時に、「奇妙だな、と思うだけでなく、文化の一端だと思った」と、感想を述べています。
写真を見た人たちからもいろいろなコメントが寄せられています。
image by: Norbert Schoerner and Steve Nakamura
「とっても美しい!特に、生卵をお箸で掴んでいるやつと、コーヒーにクリームが注がれているやつはすごい!」
「アメリカのアジア料理レストランで見たことあるけど、あれをみて食欲は湧かなかったな・・・」
「これって匂いもするの?」
「日本語がしゃべれないから、日本に行った時は、ウェイトレスさんに注文したいメニューの食品サンプルをみせて、オーダーしたよ」
食品サンプルの歴史は意外と長く、第二次世界大戦後に日本へやってきた欧米人が、レストランで日本語がわからず困っているところ、日本人の職人がプラスチックでメニューを作ったことが、ことの始まりなのだとか。
食品サンプルを買い求める観光客たち
先月上旬には、食品サンプルの作り方を紹介する動画がアップロードされ、すでに17万アクセスを超えています。
↓↓请单击优酷(youku)的动画
http://v.youku.com/v_show/id_XMTYwNDQwNzE5Mg==.html?from=s1.8-1-1.2&spm=a2h0k.8191407.0.0#paction
合羽橋は、ガイドブックやウェブサイトでも紹介されており、実際に行ってみると食品サンプルをお土産として買い求める外国人たちの姿がチラホラ。でも、その金額に驚く人も少なからずいるようです。
「うーん、食べられないロブスターに600ドル払うのってどうなの・・・?でも、プラスチックのラーメンに80ドル払うのはアリ。だって、ラーメンって健康に悪いらしいし、太るからね!」
小さいものなら300円くらいからあるようですが、プラスチックの蟹が5万〜10万円となると、もはや本物の高級蟹よりも高いのでは?
食べられない日本の食品サンプルが、日本文化の顔として、本物の日本食と並ぶのは、なんだか不思議な感じがしますね。
source by NPR/ wikipedia/ Marketing Japan
文/長塚香織